離婚時に親権の獲得は弁護士に相談すべき理由と準備すべきこと

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2017.9.28

離婚時に親権の獲得は弁護士に相談すべき理由と準備すべきこと

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離婚時に親権を獲得するため、弁護士への相談を検討していませんか。たとえば、「夫より収入が少ないけど親権は獲得できるか」「離婚後に夫婦で親権者になることは可能か」「親権者でない方が子供を連れて行ってしまった」などの悩みは、弁護士に相談したいと思うものです。

 

なぜ、親権の獲得を弁護士に相談すべきなのでしょう。それは、法律の観点から問題を解決していくことで、円満解決やトラブル回避に繋がるためです。もし、「離婚後に夫婦で親権者になることは可能か」という悩みを持っていた場合、民法819条によって認められることはできません。

 

第八百十九条  父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。

 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。

引用:民法

 

次に、「親権者でない方が子供を連れて行ってしまった」場合は、家庭裁判所に子供の引き渡しを求める調停を起こす、または人身保護請求の利用で解決を図るという方法もあります。父母での話し合いで解決できることが望ましいですが、双方が親権を望んでいる場合、協議による解決は難しいと言えます。

 

そのため親権に関する問題は、一人でどうにかするよりも、弁護士に依頼する方が確実であることがメリットです。そこで今回は、親権に関する問題を弁護士に相談すべき理由と、親権獲得に向けて準備すべきことについてまとめました。

 【目次】
親権に関する基本的な知識
親権とは
親権にはどんな権利が含まれているのか
親権獲得までの流れ
親権問題を弁護士に相談・依頼すべき理由
親権の獲得で相手より優位に立てる
親権の獲得で不利と言われる父親でも親権の獲得ができる
面会交流権や監護権を獲得しやすい
親権や監護権の変更についても対応してくれる
調停や審判などの手続きを代行してくれる
親権者を決定するための基準
子供の意思
生活環境の安定
子供に対する愛情の度合い
子供を監護する環境や能力
父母それぞれの経済力
子供が複数いる場合は全員引き取れるか
面会交流をどの程度認めるか
親権問題に関する悩みの例
子供を連れて別居してしまった
親権者は必ず定める必要があるのか
親権は同じ氏や戸籍でないと獲得できない
親権問題で安心して任せられる弁護士の特徴と費用の相場
弁護士費用相場
親権問題に精通した弁護士の特徴
まとめ

親権に関する基本的な知識

まず始めに、親権に関する基本的な知識について理解していきましょう。以下に親権の意味や権利の範囲などをまとめました。「離婚時に親権を獲得したい人が知っておくと有利になる知識」でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

親権とは

親権とは、未成年の子供を監護・教育することや財産を管理する権利のことを言います。親権は、子供の両親、つまり父母それぞれに与えられており、このことは民法818条に定められています。

 

(親権者)

第八百十八条  成年に達しない子は、父母の親権に服する。

 子が養子であるときは、養親の親権に服する。

 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

引用:民法

親権にはどんな権利が含まれているのか

親権は、具体的にどんな権利が含まれているのでしょう。根拠となる法律を交えつつ以下にまとめました。大まかに分けると、「身上監護権」と「財産管理権」が与えられることになります。

身上監護権

身上監護権(しんじょうかんごけん)とは、未成年の子の身体的・精神的な成長を図るために監護・教育を行う権利のことを言います。子供の監護や保護をするために必要な、監護や教育の権利義務・居所の指定・懲戒やしつけ・職業の許可について、民法820~823条にて定められています。一般的に、監護権という言葉は身上監護権を意味します。

 

権利の種類

根拠(引用元:全て民法

監護及び教育の権利義務

民法第820 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

居所の指定

民法第821 子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。

懲戒・しつけ

民法第822 親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。

職業の許可

民法第823 子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。

財産管理権

財産管理権(ざいさんかんりけん)とは、未成年の子の財産を管理し、その財産に関する法律行為を子に代わって行う権利のことを言います。たとえば、未成年の子供がスマートフォンの契約で親権者からの同意を求められることがありますが、実は財産管理権に基づいているのです。

 

権利の種類

根拠(引用元:全て民法

未成年者の法律行為

民法第5  未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない

婚姻についての同意

民法第737  未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。

嫡出否認の訴え

民法第775  前条の規定による否認権は、子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。

認知の訴え

民法第787  子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。

養親が未成年者である場合の縁組の取消し

民法第804  第七百九十二条の規定に違反した縁組は、養親又はその法定代理人から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、養親が、成年に達した後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。

親権獲得までの流れ

親権獲得までの流れを図にまとめました。親権をきめる際、まずは夫婦間で話し合うのが一般的です。具体的には、どちらが親権を持ち子供を育てていくのか、親権が得られなかった方にはどのくらいの面会権が与えられるのかなどを話し合っていきます。

話し合いで解決すれば問題ありませんが、双方が納得できない場合は家庭裁判所に調停の申立を行い、調停委員がどちらに親権を持たせるべきかを判断していきます。もし、それでも解決できない場合は訴訟へと発展し、裁判官が親権者を決めることになるのです。

 

親権の取り決めで調停や裁判へと発展する場合は、離婚調停や離婚裁判と合わせて行われるのが一般的です。調停や裁判の流れについて詳しく知りたい方は、「離婚調停の詳細な流れと調停で望む結果を勝ち取る方法」や「離婚裁判の期間を短くして有利に離婚する為の10の手順」をご覧ください。

親権問題を弁護士に相談・依頼すべき理由

冒頭で、親権問題を弁護士に相談すべき理由として、「法律の観点から問題を解決していくことで、円満解決やトラブル回避に繋がる」ためと紹介しました。

具体的な理由について確認していきましょう。もし、あなたに該当する内容があれば、すぐにでも弁護士に相談することをおすすめします。

親権の獲得で相手より優位に立てる

弁護士に相談すると、法律の観点から親権を獲得するために必要な準備や対策をアドバイスしてくれます。そのため、個人で親権の獲得に乗り出すよりも優位な状況に立てることができるのです。

親権の獲得で不利と言われる父親でも親権の獲得ができる

一般的に、父親は親権の獲得が不利と言われています。しかし、最近では男性側の離婚や親権問題に特化した弁護士もおり、相談することにより、父親でも親権を獲得できる可能性が高まるでしょう。詳しくは、「離婚の際に親権を獲得したい父親が知っておくべき全知識」をご覧ください。

面会交流権や監護権を獲得しやすい

弁護士に相談するメリットは、親権を獲得するだけではありません。仮に親権が得られなかった場合でも、子供との面会交流権や監護権を獲得できる可能性が高まります。子供との触れ合いを無くさないために必要なアドバイスをしてくれるでしょう。

親権や監護権の変更についても対応してくれる

親権や監護権は、一度決まったとしても所定の手続きをすることで変更できます。ただし、いくつかの条件があるため、弁護士に相談しながら確実に進めていくことが大切です。詳しくは、「親権の変更を行う親権者変更調停の手順と親権変更できる条件」をご覧ください。

調停や審判などの手続きを代行してくれる

子供の親権を巡り調停や審判へと発展した場合、弁護士が必要な手続きを代行してくれます。疲弊している中で、こまごまとした手続きをこなしていくのは大変なことです。あなたの手間を省いてくれることも弁護士に依頼するメリットに挙げられるでしょう。

親権者を決定するための基準

親権者を決定するために、どんな内容が考慮されるかをご存知でしょうか。今まで子供の面倒をどちらが主で見てきたか以外に、子供を監護する環境が整っているかなど、様々な内容が考慮されます。

 

そこで、下記に親権者の決定で考慮される内容をまとめました。親権を本気で獲得したい方は熟読しておくことをおすすめします。

子供の意思

もし、子供の年齢が15歳以上の場合、裁判所では本人の意思を確認し尊重することを義務としています。実務上は、ある程度の意思を持っている場合、15歳未満でも本人の希望が尊重されるケースがあるようです。

生活環境の安定

既に両親が別居しており、子供を一方が監護しているという場合、当該監護の事実は親権決定にあたり重視されます。すなわち、一方の親が現在安定して子供を養育しているのであれば、当該親に親権を認めるのが、子供の生活環境安定の観点からは望ましいと判断されます。

 

【根拠】

第五十四条 子が満十五歳以上であるときは、家庭裁判所は、子の監護者の指定その他の

子の監護に関する審判をする前に、その子の陳述を聴かなければならない。

 

第五十七条 婚姻の取消、離婚、生存配偶者の復氏又は生存配偶者の意思表示による姻族

関係の終了の場合における系譜、祭具及び墳墓の所有権の承継者の指定に関する審判事件

は、その所有権者の住所地の家庭裁判所の管轄とする。

引用:家事審判規則

子供に対する愛情の度合い

自分の子供に対してどれだけ愛情を持っているか、育てていく意思があるかも親権の選定で重要な判断ポイントとなります。

子供を監護する環境や能力

子供を育てていく上で、必要な環境がどれだけ整っているかも親権の選定時に加味されるポイントです。例えば、子供をしっかり学校に通わせる環境が整っているか、子供を育てていく上でサポートしてくれる人がいるかどうか、収入確保されているかがポイントになります。

監護環境をどれだけ継続して維持できるか

親権を獲得するためには、選定時だけでなく、長期的に監護環境を用意できるかどうかも重要なポイントとなります。

父母それぞれの経済力

子供を育てていくためには、安定した収入が必要です。そのため、親権の選定時には父母それぞれの経済力も考慮されます。

乳幼児は母親が親権獲得で優遇される|収入が少なくても親権は獲得できる

経済力だけで見ると、母親が不利なケースがほとんどでしょう。しかし、子供が乳幼児の場合は母親の方が親権の獲得で優遇されると言われています。仮に収入が低くても諦めることはありません

 

【親権を獲得したい女性に役立つ知識】

子供が複数いる場合は全員引き取れるか

子供が二人以上いた場合、一人ずつ親権者を決めることが可能です。例えば、長女は父親が次女は母親が親権を持つことが可能なのです。ただし、親権の選定時には兄弟を引き離すよりも一緒に引き取る意思があることを示すと優遇されるケースがあるようです。

面会交流をどの程度認めるか

もし親権を得た場合、相手に子供との面会交流の機会を多く与えると示すことで立場が有利になるケースがあるようです。子供を一番に考えた譲歩案を提案することで、親権獲得で優位に働くのかもしれません。

親権問題に関する悩みの例

親権問題に悩む方たちは、具体的にどんな悩みを持っているのでしょう。悩みの例をいくつかまとめました。もし当てはまるものがあれば、一度弁護士に相談してみると良いかもしれません。

子供を連れて別居してしまった

離婚前に子供を連れて別居した場合、親権獲得で不利に働いてしまうのでしょうか。もし、子供の養育を主で行っている方が別居に踏み切った場合、不利に働くことはないと一般的に言われています。あくまでも一般論なため、確実とは言えません。

 

むしろ、上記にも記載のとおり、別居にあたり一方の親が子を安定して監護しているという事実は親権決定の判断で重視されますので、子供を連れて行ったかどうかよりも、その後の養育状況の方が重要といえます。

 

無論ですが、養育を主で行っていない方が考えなしに子供を連れて別居し、十分な養育もできていないという場合は、親権獲得で不利に働く可能性が高いと思われます。

 

【関連記事】

突然別居された父親が子供に会うために知っておくべき事

親権者は必ず定める必要があるのか

未成年の子供がいる場合、必ず親権者を定める必要があります。冒頭でご紹介した民法818条でそのように定められているためです。父母または養親が、子供の親権を持たなければなりません。

 

【根拠】

(親権者)

第八百十八条  親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

引用:民法

親権は同じ氏や戸籍でないと獲得できない

親権を獲得する際、親権者と同じ氏を名乗り戸籍に入らなければならないといった決まりはありません。つまり、違う氏や戸籍であっても親権は獲得できます。

親権問題で安心して任せられる弁護士の特徴と費用の相場

親権問題で安心して任せられる弁護士の特徴とかかる費用の相場を以下にまとめました。ちなみに、養育費の獲得について気になる方は「養育費請求調停を有利に進める方法と弁護士に相談する3つのメリット」をご覧ください。

弁護士費用相場

親権の獲得を目指すために弁護士へ依頼した場合、費用はどのくらいかかるのでしょう。相場は40~60万円前後と言われています。相談料に関しては、初回相談であれば無料としている事務所もあります。弁護士を利用するか悩まれている方は、無料相談を活用してから検討してみてください。不要必要の判断が明確にできますよ。

 

相談料(1時間あたり)

0~1万円

着手金

20~30万円

報酬金

20~30万円

親権問題に精通した弁護士の特徴

親権問題に精通した弁護士にはどんな特徴が挙げられるのでしょう。主に4つの特徴が挙げられます。離婚・親権問題の取り扱い経験が豊富で、具体的な解決プランの提示をしてくれる弁護士を選ぶことをおすすめします。

 

  • 離婚・親権問題に特化している弁護士事務所に在籍
  • 離婚・親権問題の解決実績が豊富(親権問題に関する調停や裁判の経験が豊富)
  • 話を親身に聞いてくれる弁護士
  • 解決プランが具体的で明確である

まとめ

配偶者と離婚することになったとき、一番気がかりなのが子供の親権です。離婚後も大切なわが子と生活を共にしたいと思ったら、法律のプロである弁護士に相談してみてください。あなたが思いもつかなかった解決プランの提案が期待できます。

 

また、親権の獲得と同様に、離婚後は子供のケアがとても大切となります。「離婚が子供に与える15の影響と悪影響をケアするための方法」に、役立つアドバイスが載っていますので、あわせてご一読いただくことをおすすめします。

 

【子供がいる方の離婚で役立つ記事】

 

【養育費に関する記事】

 

 

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お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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