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離婚裁判の本人尋問を成功させる秘訣とは?本人尋問の流れと注意点を解説

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離婚裁判の本人尋問を成功させる秘訣とは?本人尋問の流れと注意点を解説

本人尋問とは、当事者本人が裁判所に出頭して、代理人や裁判官からの質問に答えるものです。離婚を行う際は慰謝料・財産分与・親権など、相手側と争いに発展しやすい問題が様々ありますが、その際に代理人や裁判官が夫婦双方に質問して回答をもらい、その回答内容を判断材料にします。

本人尋問は裁判結果を左右する判断材料であり、証拠となるものです。そのため適切に本人尋問を行えないと、あなたが不利になるかもしれません。

以下では、これから本人尋問を行う可能性がある方向けに、本人尋問を行う際の流れや注意点を解説します。

本人尋問の対策を知れば、あなたは相手よりも有利な状態で本人尋問に臨めるかもしれません。本人尋問で失敗したくない方、離婚問題をスムーズに解決したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

なお、離婚裁判を申し立てるには、原則としてまず離婚調停を行う必要があります(調停前置)。離婚調停について知りたいという方は、以下の関連記事を参考にしてください。

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離婚裁判における本人尋問とは?

離婚裁判における本人尋問の主な目的は、双方が提出した証拠の信ぴょう性を確かめることです。たとえば、夫の不倫につき慰謝料を請求している事案において、妻側が、夫が不倫相手とホテルを出入りする写真などを証拠として提出しているとします。それについて本人尋問で夫に質問して回答を得、裁判官はその回答を証拠の価値を見極める材料にします。

離婚裁判は原則として公開の法廷で行われます。したがって、本人尋問を行う場合に傍聴人がいる可能性があり、そのことが精神的に負担となることがあるかもしれません。

なぜ本人尋問を行うのか      

本人尋問は裁判官が争点を審理するために行います。提出された証拠はどれほど信用できるものなのか、主張の食い違いがある場合はどちらの主張が真実らしいのか、可能な限り真実に基づいた判断を行うためにするのが本人尋問です。

本人尋問で行うこと

本人尋問で行うことはシンプルで、本人に対する質問とその回答です。基本的には双方の代理人又は裁判官から尋ねられた質問に回答していきます。正直に淡々と答えると良いでしょう。

本人尋問が行われるタイミング

本人尋問が行われるタイミングは離婚裁判中の証拠調べのときです。

本人尋問前に和解が成立する見込みがあれば、和解期日が開かれることがあります。和解の見込みがなければ、証拠調べとして本人尋問が行われることが多いです。

証拠調べ後、再度和解の可能性が模索されることがあります。それでも和解の見込みがないと判断された場合には、判決が言い渡されます。その後、控訴しなければ判決は確定となります。

本人尋問までの流れ

本人尋問の準備は以下の流れで進行します。

  1. 家庭裁判所に訴状を提出
  2. 裁判所から通知を受け取る
  3. 被告が答弁書を提出
  4. 口頭弁論
  5. 尋問

基本的には離婚や慰謝料等を請求したい側が訴訟を提起します。

家庭裁判所に訴状を提出

原則として、当事者(夫または妻)の住所地を管轄する家庭裁判所へ訴状を提出します。訴状の記入例は裁判所が公開しているので、ご自身で作成する場合は下記を参考にしてみましょう。

ダイアグラム自動的に生成された説明

【引用】離婚訴訟事件の訴状|裁判所

弁護士に依頼すれば、書類の作成やその他の手続きを任せることができます。訴状は、必要があれば提出後10日前後で裁判所から訂正などの指摘があるでしょう。

なお、裁判で離婚を認めてもらうためには、法定離婚事由があることが必要です。法定離婚事由は、民法第770条第1項で定められておます。

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

【引用】民法|e-Gov

協議離婚や調停離婚では法廷離婚事由がなくとも、当事者が離婚について合意すれば離婚することができます。しかし離婚裁判では、裁判所は法廷離婚事由がなければ離婚を認めることはありません。

裁判所から通知を受け取る

裁判所は、原告(訴えた人)の都合を確認して、第1回目の裁判期日を決定します。そして、原告へは期日呼出状が、被告へは期日呼出状と訴状が送付されます。初回の期日は、訴状を提出してから1月半後程度が目安です。

被告が答弁書を提出

被告は、期日呼出状と訴状を受け取った後、原告への反論として答弁書を作成します。作成した答弁書は指定された期日までに裁判所と原告へ提出します。詳細な反論が間に合わない場合には、後から準備書類として主張することもできるので、少なくとも争う旨を記載した答弁書は提出するべきでしょう。

第1回口頭弁論

第1回口頭弁論では、訴状と答弁書の内容を確認し、争点と今後の審理の方向性を確認します。

弁論準備

弁論準備では、双方の主張の補充や、相手方の主張に対する反論を、準備書面を提出する方法で主張していきます。離婚裁判の争点や証拠を整理していきますが、この過程で和解が成立しそうであれば、和解期日が開かれることになります。和解が成立すれば離婚裁判は終了するため、本人尋問は行われません。

和解の見込みがなければ、証拠調べ、判決へと進みます。

尋問

争点が整理され、ある程度証拠が出揃ったところで、尋問が行われます。以下では、本人尋問がどのような流れで行われるのか、見ていきましょう。

本人尋問の流れ

本人尋問は以下の流れで進行します。

  1. 人定質問
  2. 宣誓
  3. 尋問

なお、多くの場合、本人尋問の前に、本人の言い分をまとめた陳述書を作成・提出します。尋問は、陳述書を踏まえて行われることが多いです。

人定質問

人定質問は、尋問を受ける人が当事者本人であることを確認する手続です。氏名・住所を聞かれますから、間違いなければ「間違いありません」と答えます。

宣誓 

尋問の前に、真実をありのままに話す旨の宣誓書に署名・押印(捺印)を行います。そして、その宣誓書を朗読することになります。

民事訴訟法では、宣誓した当事者が虚偽の回答をした場合、10万円以下の過料に処する旨が定められています。

(虚偽の陳述に対する過料)

第二百九条 宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。

2~3 省略

【引用】民事訴訟法|e-GOV法令検索

尋問

尋問は、最初に原告、次に被告の順番で尋問されるのが原則です。

尋問には主に次の種類があります。

  • 主尋問
  • 反対尋問
  • 補充尋問

主尋問は尋問の申し出をした当事者の尋問のことで、その相手側の尋問のことを反対尋問と言います。補充尋問は証言に不明瞭な部分があった際や、さらに確認すべき内容がある際に、裁判長により行われる尋問です。

とはいえ、どの尋問でも本人が行うことは『聞かれた内容に正直に答えること』ですから、尋問の種類によって本人がすべきことに変わりがあるわけではありません。

本人尋問を成功させるための注意点

本人尋問を成功させるためには以下のような点に気を付けると良いでしょう。

  1. 弁護士に相談する
  2. 事前に答え方を練習する
  3. 適切な服装を選ぶ
  4. 前を見てはっきり話す
  5. 正直に答える
  6. 簡潔に答える
  7. 感情的にならない
  8. 自分から不利になることは言わない

正直に答えるなど、当たり前に聞こえることもあるでしょうが、初めての本人尋問では何があるか分かりません。普段なら問題ないことが、緊張や不安から出来なくなる可能性もあるのです。

弁護士に相談する

前提として、離婚裁判に臨む場合には、訴訟対応を弁護士に相談・依頼しましょう。そして、依頼した弁護士とともに、尋問での受け答え方などを打合せをして、入念にシミュレーションをしておきましょう。

また、反対尋問で聞かれそうなことについても、事前に対策を取っておくと良いでしょう。

事前に答え方を練習する

これまでに裁判所に提出した主張書面や陳述書の内容を整理しておきましょう。これまでの主張内容と矛盾が生じれば不利になる可能性があります。

嘘をつくつもりがなくても、緊張から本来の答えとは違う内容を話してしまう可能性もあります。念を入れて確認しておくようにしましょう。

適切な服装を選ぶ

本人尋問の際の服装は特に決められていませんが、極端に派手な服装などは裁判官から見て印象は良くないと思われます。誠実な印象を持たれる、スーツやシャツ、その他落ち着いた色の服装を選ぶと良いでしょう。

前を見てはっきり話す

尋問で受け答えする際は、前を見てはっきり話しましょう。自信を持って話している姿勢は、裁判官に対して良い印象を与えるはずです。

また、まっすぐ前を見て堂々と話せば、言わされているのではなく、自分自身の言葉で回答していると思われるでしょう。

正直に答える

当然ですが、尋問で正直に答えるのは最も大事なことです。下手な嘘をついても、事実関係の食い違いから嘘が露呈してしまうことは十分にあり得ます。「少しくらいなら大丈夫」などと、油断しないようにしましょう。

簡潔に答える

回答する際は、回答内容が裁判官に伝わるように、シンプルに一言、二言で答えましょう。

また、想定外の質問をされたり、質問の内容が理解できなかったりする可能性がありますが、その際は「質問の内容がわかりません」「もう一度質問をお願いします」などと答えた方が適切です。無理して答えようとするとうまく意図が伝わらず、裁判官に勘違いされる可能性もあります。

感情的にならない

質問の中にはあなたを挑発しているともとれるような、気分を害する内容があるかもしれません。しかし、その場合でも感情的になってはいけません。本人尋問を受ける際は、単に聞かれたことに簡潔に答える、ということだけを意識しましょう。

反対尋問では、あなたを感情的にさせることを狙って質問してくる場合もあり得るので、本番では自分のペースで回答するように心がけましょう。

自分から不利になることは言わない

本人尋問では聞かれたことにだけ答えましょう。すべてを説明しようとせず、聞かれたことに対する回答をすれば良いのです。

つい話過ぎたがために、自分にとって不利な発言をしてしまうリスクもあります。本人尋問は聞かれたことを簡潔に、正直に答えるようにしてください。

離婚裁判を弁護士に依頼するメリットとは?

本人尋問は、依頼した弁護士と綿密な打ち合わせをすることが欠かせません。事前に十分対策を取っておくことで、落ち着いた気持ちで尋問を受けることができ、効果的に本人尋問を進めることができるでしょう。

本人尋問の前には不安を覚える方が多いと思います。弁護士に依頼していれば、不安や疑問についてアドバイスをくれますので、心強い味方となってくれるでしょう。

離婚裁判に関して弁護士に依頼した場合、弁護士への着手金・報酬金はそれぞれ30万円程度はかかるでしょう。ただし、養育費や慰謝料など争点が多岐に渡る場合には費用が増額するなど、具体的な費用はケースバイケースです。具体的な費用は弁護士によって異なりますので、相談時によく確認しておきましょう。

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まとめ

離婚問題では財産分与、親権、養育費、年金分割、慰謝料など、様々な争点が生じることが多いです。

離婚問題について裁判で決着をつけようとする場合、本人尋問が行われることがあります。

本人尋問を受けるにあたって不安になることがあるかもしれませんが、やることはシンプルで、聞かれた質問に正直に、簡潔に答えるだけです。聞かれたことに淡々と答えましょう。

離婚裁判の対応を弁護士に依頼していれば、回答の仕方や、反対尋問で聞かれる可能性がある質問を想定して、十分な対策を取ることができるでしょう。離婚問題で悩みや不安がある方は、まずは無料相談を利用して、お気軽に電話やメールで問い合わせてみましょう。

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この記事の監修者
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この記事は、株式会社アシロの『離婚弁護士ナビ編集部』が執筆、社内弁護士が監修しました。

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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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