大学時代から法律相談サークルで色々な方の悩みを聴いてきた我妻先生。
「私は人の話を聴くのが好きなんです」という言葉通り、インタビューでも話を真摯に聴いてくださり、質問にも丁寧にお答えいただきました。
忙しくてもできるだけ自分で相談を聴く我妻先生に、相談者との向き合い方などについてお聞ききしました。
弁護士を目指したきっかけ
――我妻先生が弁護士を目指したきっかけを教えてください
弁護士を目指す大きなきっかけは、大学の所属していた法律相談サークルでしたね。
サークル活動を通して色々な方の相談を聴き、多くの人と関わっていくうちに、面白さややりがいを感じて弁護士を本格的に目指すようになりました。
ただ、弁護士になるための試験は難しいので、OBの弁護士からは「弁護士試験に受かるわけない」と言われて。そのときに「絶対受かってやる」と、啖呵を切って猛勉強したのもいい思い出です(笑)
――こんなに穏やかな雰囲気の先生から「啖呵を切る」という言葉が出るとは…。
弁護士としての実績・経緯
――我妻先生は、弁護士になられてから今まで、どのような事件を取り扱ってきたのでしょうか?
虎ノ門法律経済事務所の本店にいた時は特に不動産関連の事案に携わることが多かったですね。
1年目から不動産案件を中心に、常時50から60件の事件の処理を先輩と一緒に任されました。聞いてみると、同期の弁護士ではせいぜい20件か多くて30件そこらしか担当してない人が多く、単純計算で2から3倍の事件を担当していたことになると思います。
当時は、新規法律相談も先輩やパートナーの先生と毎日のように入れられおり、鍛えられました。多い日で3件から4件ほど、新規相談に対応していましたね。
――2~3倍ですか…!しかし、「不動産案件」といっても離婚問題に絡まることもあるのですね。
そうですね。それが、面白いことに法律は培った知識や経験を別の分野でも活かせるんですよ。
例えば、離婚で培った預金調査は相続でも活用できますし、1つの相談内容に色々な分野の法律が複雑に絡み合っている…というケースも珍しくありません。
幅広く対応できる知識や経験があることで、色々な立場や観点から解決に導けるのもメリットの1つです。私自身、1つの相談だけをずっと対応するのは性に合っていないので、色々なご相談者と関わりを持つことが仕事のモチベーションにつながっていたりもします。
神奈川に支店長として就任した理由
――我妻先生は関西出身とお聞きしています。神奈川の支店長となったきっかけや理由はありましたか?
実は、川崎は人口のわりに弁護士があまりいないんです。
虎ノ門法律経済事務所のトップは、本店でしっかり育てた弁護士を各地域に根付かせ、そこで良質なリーガルサービスを継続的に提供したいと考えており、川崎に支店ができることが決まりました。
私は、出身こそ関西ですが、大学の卒業と同時に川崎に引っ越し、そこからロースクールへ通っていたんですよ。なので、土地に愛着や縁があり、声がかかった際に支店長として就任しようと決めたんです。
希望を与え、安心感を持って帰ってもらえることを大切にしている
――相談を受ける際などに、心掛けていることなどはありますか?
受任する、しないは二の次として、ご相談者に何かしらの解決の道筋や希望、安心感を持って帰ってもらえるようにすることです。そのため、どんな相談でもできる限り自分が対応し、1時間腰を据えてしっかりお話をお聴きするようにしています。
また、どのような相談内容に対しても、弁護士に依頼した方がいいと推奨するようなことはしません。相談をしっかり聴いた上で、必要だと思えば解決策の1つとして弁護士への依頼をおすすめしていますね。
――状況によっては、「依頼しない方がいい」とお伝えすることもあるのでしょうか?
ありますね。中には弁護士が介入することで問題が複雑化することもあります。
そういった時はご相談者に、弁護士への依頼はおすすめできないとはっきりと伝えるようにしています。
ご相談者が損をするような受任はしたくありません。極力客観的な立場に立ち、ご相談者の目線でどうすればいい方向に進むか、その解答をまず示すことをモットーにしています。
離婚相談へ来られる方へ
――離婚問題の相談では、どのようなタイミングで相談すれば損をしないのでしょうか?もし、相談する前に注意しておいた方がいいことなどあれば教えてください。
離婚問題は金銭面だけでなく、親権や養育費、面会交流の細かな決めごとなど、もめるポイントの多い内容です。
特に男性の場合、妻が子どもを連れて家を出てからご相談に来られる方も珍しくありません。財産を一任しており、手元に何もないという方もいます。
そうなってからのご相談では証拠が集めづらく、離婚が成立しても損してしまう可能性が高くなってしまいます。
なので、家計を妻に任せている方でも、預貯金の金額や毎月の収支などは確認しておくといいですね。
ネットの情報がすべて正しいわけではありません。離婚の選択肢が浮かんだタイミングでご相談いただければ、有利に進められるようなアドバイスができます。