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国際結婚をした人が離婚する際の手続きに関する基礎知識

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
国際結婚をした人が離婚する際の手続きに関する基礎知識
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政府の統計によると、2018年の国際結婚の婚姻数は21,852件、離婚数は11,044件と、約半数が離婚していることが分かります。

国際結婚・離婚は国内のものより手続きが複雑です。そこで今回は、国際結婚・離婚の手続きに関する基礎知識として、以下のことについてご紹介します。

  • 国際結婚や離婚をする際どちらの国の法律が適用されるのか
  • 国際結婚をした方が離婚するケースが多いのは本当なのか
  • 日本で国際結婚する際の手続き方法
  • 離婚する際の手続き方法
  • 離婚手続きの際に知っておきたい6つのこと
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 国際結婚や離婚をする際どちらの国の法律が適用されるのか

国際結婚をする時、どちらの国の法律が適用されるのでしょうか。日本の法律が適用される場合と配偶者の母国の法律が適用される場合の条件を、それぞれ以下にまとめました。

日本の法律が適用される条件

まず始めに、日本の法律を元に国際結婚が適用される場合の条件を確認していきましょう。

  • 二人の国籍がどちらも日本である
  • 二人の関係国が日本である
  • 離婚手続きを進める際の常居所が二人とも日本である
  • 日本で婚姻届を提出し、法的な婚姻関係を結んでいる

基本的に、国際結婚をする二人の国籍もしくは関係国が日本であることが必須だと分かります。これは、法の適用に関する通則法の第25条にも定められています。ちなみに関係国の条件は、日本に住んでいるまたは働いているなど、生活の基盤となっていることが挙げられます。

(婚姻の効力)
第二十五条  婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。
 引用元:法の適用に関する通則法

海外の法律が適応される条件

国によって結婚が認められる条件や法律が異なるため、一概には言えません。しかし、日本で定めている法の適用に関する通則法第25条に、「夫婦に最も密接な関係がある地の法」との記載があります。ですから、二人の生活の基盤となっている土地が配偶者の母国であった場合、その国の法律が適用されると言えるでしょう。

国際結婚した方が離婚するケースが多いのは本当?

国際結婚する人が増えていると言われる一方で、離婚する人が多いイメージを持っている人も少なくありません。実際のところどうなのか、離婚件数や離婚に至った理由をまとめました。

国際離婚の件数と離婚率

 

婚姻組数(2018年)

離婚組数(2018年)

離婚率

日本人同士の夫婦

564,629組

197,289組

34.9%

国際結婚の夫婦

21,852組

11,044組

50.5%

厚生労働省の統計によると、2018年の国際結婚(夫妻又は夫妻の一方が日本国籍)の婚姻件数は21,852組に対し、離婚件数は11,044組です。つまり、約半数の夫婦が離婚していることになります。
一方、日本人同士の婚姻組数は564,629組に対し、離婚件数は197,289組で、3組に1組の夫婦が離婚しています。国際結婚の離婚率は日本人同士よりも高いことがわかります。

国際結婚がうまくいかなかった理由

国際結婚がうまく行かなかった理由とは、一体どんなことでしょうか。以下に例を挙げました。

  • お互いの文化や価値観の違いが受け入れられなかった
  • 夫婦どちらかの不倫
  • 浪費や借金などお金のトラブル
  • 暴言や暴力
  • 性格の不一致
  • 言葉の壁 など

国際離婚の多くはお互いの文化や価値観の違いが理由だと言われています。例えば、相手国の食事が口に合わず、一緒にいることが耐えられなくなったことが挙げられます。また、夫婦の会話は日本語で問題なかったが、配偶者の親族が外国語しか話せないため、コミュニケーションが上手く取れなかったことが離婚の引き金になった人もいるようです。

日本で国際結婚(再婚含む)する際の手続き方法

日本で国際結婚の手続きをする際の流れを以下にまとめました。ちなみに、再婚する場合も同様の手続きとなります。

1.日本で国際結婚をする際に必要な書類を集める

まずは、結婚に必要な書類を集めましょう。具体的には以下の書類を準備しなければなりません。

婚姻届

役所でもらえる一般的な婚姻届です。国際結婚であったとしても、婚姻届は同じものを使用します。記入の際、夫婦二人と証人となる人のサインと捺印が必要です。ちなみに、国際結婚の場合、別姓のまま婚姻届が受理されます。もし、相手の姓を名乗りたい場合は、婚姻届と一緒に名の変更届を提出しましょう。

戸籍謄本

取り寄せは、日本国籍がある人のみで構いません。本籍地の役所へ行き直接発行してもらいましょう。他に、郵送申請や代理人に依頼して発行してもらう方法もあります。

パスポート

配偶者の国籍を証明するものとして必要となります。婚姻届を提出しに行く際、配偶者のパスポートを忘れないようにしましょう。

婚姻要件具備証明書

配偶者が未婚であり、結婚しても問題や母国の法を犯すことはないと証明する書類です。提出時に、証明書の日本語訳も必要なため、あわせて用意しておきましょう。ちなみに国によっては、婚姻要件具備証明書を発行していないケースがあります。その場合、配偶者の母国の大使館に代わりとなる証明書がないか問合せてみてください。

2.用意した書類を役所へ提出する

婚姻届、戸籍謄本、パスポート、婚姻要件具備証明書を集めたら、それらを持って役所に提出しましょう。提出した書類に不備がなければ、二人は日本で夫婦と認められます。

3.婚姻届受理証明書を発行してもらう

役所で婚姻届が受理されると、日本での結婚が成立し、婚姻受理証明書の発行が可能となります。相手国での結婚手続きで必要な書類となるため、必ず発行しましょう。

4.配偶者の母国の大使館へ届けを出す

日本で結婚したことを、配偶者の母国の大使館に届け出ましょう。その際、日本の役所で発行した婚姻届受理証明書が必要です。手続きが完了したら、相手国でも結婚成立となります。この時、大使館からも婚姻届受理証明書を発行してもらってください。相手国に在留資格の申請時に必要な書類となります。

日本で国際結婚から離婚をする際の手続き方法

日本で国際結婚から離婚をする時は、通常の離婚と同じ方法で行います。

1.協議離婚

夫婦二人で話し合い、離婚に合意する方法です。離婚届を役所に提出すれば、二人の離婚は成立します。ただし、配偶者の母国でも婚姻届を提出している場合、相手国でも離婚の手続きが必要となります。

2.調停離婚

協議離婚で配偶者の同意が得られなかった場合、家庭裁判所に調停離婚を申し立てます。調停離婚とは、二人の間に裁判所が入り離婚が適切か判断してもらう方法です。ただし、裁判のような効力がないため、離婚成立には夫婦の同意が必要です。

3.審判離婚

審判離婚は、調停で夫婦の合意が得られないと判断された場合、裁判官が審判で離婚を成立させるという方法です。担当している調停委員の意見や夫婦それぞれの主張を元に、離婚が適切だと判断されれば、夫婦の合意がなくても成立となります。

4.裁判離婚

上記の方法で離婚成立に至らなかった場合、家庭裁判所に裁判離婚の訴えを起こす必要があります。その裁判に勝利できれば、晴れて離婚成立となるのです。この方法は、調停を経てからの手続きでないと認められません。あらかじめ、注意が必要と言えるでしょう。

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国際結婚から離婚をする際に知っておきたい6つのこと

なんらかの理由により離婚することになった場合、以下に挙げた6つのことを把握しておくと、スムーズに手続きが進められるでしょう。

慰謝料請求

日本で結婚手続きをしていた場合、通常の離婚と同様に慰謝料請求が可能です。しかし、裁判で慰謝料が認められても、配偶者が母国に帰ったため支払われないケースもあるようです。もし、裁判で慰謝料が認められたら、一括払いなどの交渉をしておくと良いかもしれません。相手国の法律で慰謝料請求する場合は、その国の法に則って判断が下されます。

相手国での離婚手続き

離婚手続きの仕方は国よって全く異なります。例えば、アメリカのある州では、裁判で認められないと離婚できないようです。まずは、日本にある相手国の大使館へ離婚手続きについて問合せてみましょう。相手国まで行って手続きしないといけないケースもありますが、日本国内にある相手国の大使館に申請すれば、離婚が成立することもあります。

国際離婚後の再婚

基本的に、日本での離婚手続きが完了していれば、日本での再婚は可能です。ただし、配偶者の母国で離婚手続きをしていない場合、相手国での離婚手続きは完了していないことになります。後のトラブルを防ぐために、相手国でも離婚手続きを済ませてから再婚するのが望ましいでしょう。

子供の国籍

日本国籍を取得したい場合、国外で子供が産まれても三ヶ月以内に「出生届」を日本の役所へ提出すれば問題ありません。これは、日本の「戸籍法第49条」にも定められています。ただし、配偶者の母国の法律によっては、その国で生まれた時点で国籍が与えられるようです。
この場合、二重国籍となるため注意が必要かもしれません。日本国籍を希望なら、以下の手続きを済ませておきましょう。

  • 出生届と一緒に国籍法第12条に定められている「国籍留保」の手続きを行う
  • 後から子供が二重国籍であると判明した場合は、22歳までに国籍法第14条に則って、国籍を選択する

子供の親権

法の適用に関する通則法第32条によると、子供の国籍がある国の法律に則って、どちらに親権が渡されるかの判断がなされるようです。

(親子間の法律関係)
第三十二条  親子間の法律関係は、子の本国法が父又は母の本国法(父母の一方が死亡し、又は知れない場合にあっては、他の一方の本国法)と同一である場合には子の本国法により、その他の場合には子の常居所地法による。
引用元:法の適用に関する通則法第32条

ハーグ条約

ハーグ条約とは、子供の生活基盤を守る趣旨で作られた条約です。国際離婚した夫婦の子供を、配偶者の了承を得ずに自分の母国へ連れて行き、会わせないというケースが問題視されたために生まれました。また、親の都合で子供の生活基盤が変わってしまうリスクを減らす目的もあります。
この条約により、親の都合で子供の生活基盤が危ぶまれるリスクが減りました。しかし、親権を得ても子供の居住国が相手国の場合、日本には連れて帰れないというデメリットがあります。実際、日本に帰れず仕方なく相手国で生活している日本人も少なくありません。
 

まとめ

国際結婚や離婚は、お互いの国の法律が異なるため、同じ国籍同士の結婚に比べてルールや手続きが複雑と言えます。けれども、お互いの文化や価値観の違いをいい意味で知ることができ、得るものも多いのではないでしょうか。あなた自身の幸せに向かって決断したこと、筆者は心から応援しています。

国際離婚の手続きに不安を抱えている方へ

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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