2021年1月、札幌市中央区に開設された星六花法律事務所。
雪の結晶を意味する「六花」と、「どんな状況でも夜空の星のような小さな希望を見出せるように」という思いを組み合わせたことが事務所名の由来になっていると言います。
今回は、星六花法律事務所の代表を務める三上 直子(みかみ なおこ)弁護士にお話をお伺いしました。
弁護士を目指すことになったきっかけ
――三上先生が弁護士を目指されたきっかけはなんだったのでしょう。
中学生時代に読んだジョン・グリシャムの『評決のとき』(※)という小説がきっかけでした。当時、映画化が決まり、周りでも話題になっていたんです。
(※)1989年にアメリカで出版された小説。人種差別が根強く残る街で開かれた裁判を通し、新人の弁護士が司法と向き合うヒューマン・ドラマ。 |
苦しい状況にも屈せず、窮地に立たされた依頼人を救うために全力を尽くす主人公の姿にとても感動しましたね。
読み進めながら、「弱い立場に置かれた人の味方となり、正義を実現できる職業」という点に憧れを感じたことが、弁護士を志した原点です。
実際に法律を学び始めてからは、「この法律はどういう内容なのか」と論理的に分かっていくことや、実例に触れて知識が深まっていくことはとても楽しかったですね。
――「弱い立場に置かれた人の味方になれる」という点に着眼されたというところに、三上先生の思いやりにあふれる人柄が感じられます。
三上先生が目指される、理想の弁護士像があればぜひお聞きしたいです。
ご依頼者様やご相談者様の気持ちに寄り添える、強さと優しさを兼ね備えた弁護士になりたいと思っています。
弁護士には、法的知識や経験といった専門性や調査能力を武器にして、ご依頼者様のために戦っていく強さが必要です。
一方で、当事者の心情に寄り添う優しさや、当事者が現在抱えている問題のより良い解決に向けて、心情に配慮したサポートをする役割を担うことも必要だと思っています。
特に、離婚事件は、合理的な判断ができる場面ばかりではなく、過去の様々な出来事やお子様についての問題が積み重なり、感情が絡み合うことも多い類型です。
そのことを理解しつつ、様々な選択肢のメリット、デメリットをご説明して、一緒に方針を検討していくよう心がけています。
弁護士に相談し、不安や問題点を整理することができると、気持ちの整理もついていくように思います。
――安らげるはずの家庭に問題があると、精神的にも追い詰められてしまいますよね。そんなときに信頼できる専門家が力になってくれると心強いですね。
そうですね。
離婚問題の場合、相手との話し合いで解決できれば問題ありませんが、話がかみ合わなかったり、なかなか前に進まなかったりすることも珍しくありません。
そのような場合には、弁護士が間に入って交渉するだけでも、相手方と直接話す機会がなくなるので、精神的な負担は軽減すると思います。
そのうえで、親権や、養育費などの経済的な問題についても、問題点が整理されていくので、話が進みやすくなることも多いと思います。
事件が終わったことで、新しく前に進もうとするご依頼者様の晴れやかな顔を見た時には、「弁護士をしていて良かったな」と心から感じます。
事務所開設までの道のり
――事務所を開設しようと思われたのはどういった背景からなのでしょうか。
「一度は自分で事務所経営を経験してみたい」という想いはありました。
勤務弁護士としても、のびのび仕事をさせていただいていましたが、弁護士登録をしてから5~6年が過ぎ、自分なりに自信が持てたところで独立を決意しました。
独立してからも、離婚事件や犯罪の被害者、高齢者といった社会的に弱い方々に寄り添えるような事務所であり続けたいと思っています。
――ご自身が納得できるタイミングで開業に踏み出されたんですね。
事務所名に苗字や地名ではなく、「星六花」という名称を選ばれたのにはどういった背景があったんでしょう?
事務所を構えた北海道にちなみ、雪の結晶を意味する「六花」、そして、どんな状況でも夜空の星のような小さな希望を見出せるように、という願いを込め事務所名を名づけました。
当時、読んでいた「ライオンのおやつ」(著/小川糸、ポプラ社)という心温まる小説に出てくる犬の名前が「六花」だったことにもインスピレーションを得ています。
――たしかに、法律トラブルは突然起こるうえに専門知識を学んでいる訳ではないですし、先行きが不安な方も多いかと思います。
小さな希望を見いだせる、というだけでも相談者の方に取っては大きな前進ですよね。
相談がしやすい事務所に
――三上先生はZOOM相談も受け付けていらっしゃるのですね。
コロナ禍となり、ZOOMによる会議が増えたことが導入のきっかけでした。
北海道は土地が広大なこともあり、遠方にお住まいの場合は対面での法律相談が難しいことも多いため、遠方にお住まいの方でも法律相談を利用できるよう活用の幅を広げました。遠いところだと、移動の片道だけで半日かかる場所もあるので…。
まだまだコロナ禍が続いているということもあり、最近では、事務所近くにお住まいの方でもZOOM相談を希望される方がいらっしゃいます。
――それは確かにオンライン相談を利用される方も多そうですね…。
事務所の体制を見ていて気になっていたのですが、先生がホームページ等で法テラスの記載をしているのが印象的でした。
そうですね。
お客様の収入や資産の状況によっては、法テラスの「相談援助」が利用できる場合がありますので、条件に該当する方へは案内をしています。
相談援助を利用すると、ご依頼者の自己負担が無く相談を受けることができるので、「弁護士へ相談できず泣き寝入りになってしまった…」という事態を可能な限り防げるのではないかと思い、ホームぺージにも記載しています。
――法律トラブルは予期せず巻き込まれてしまうことも多いですし、常に不安を抱えている方もいらっしゃるのではないかと思います。
あらかじめ、そういった制度についての案内があると安心されるご相談者も多いのではないでしょうか。
趣味・プライベートの過ごし方
――かなりお忙しい日々を過ごされているかと思うのですが、どんなことをして息抜きやリフレッシュをされているのでしょうか?
息抜きとしては読書やフィギュアスケート鑑賞、ピラティスでしょうか。とくにピラティスは、かれこれ3年ほど続けています。
激しい運動するわけではありませんが、体幹を鍛えて、できるだけ長く健康でいられるように努力しています。
――どのお仕事も身体が資本ですものね。ピラティスのほかには読書、フィギュアスケート鑑賞もお好きなんですね。
そうですね。ミステリーなども好きで読むのですが、最近はリラックスできるので、日常のささやかな幸せが感じられるような作品を読むことの方が多いかもしれません。
フィギュアスケートはスポーツ性と芸術性の要素を併せ持っている点が魅力的ですよね。技術を磨きながらも音楽性を大事にしていて、常に挑戦的な演技を見ることができ、とてもワクワクします。
それから、ピアノやクラシック音楽も好きなんです。幼稚園の時から高校生までピアノをずっと習っていたので、今でも気分転換に良く聞いています。
――とても多趣味でいらっしゃるんですね…!
確か、ホームページでは特技に「手話」もご記載されていましたね。
以前、ご依頼者様に耳の聞こえない方がいらっしゃいまして、コミュニケーションの幅を広げるためにも、手話教室に通うなどして勉強するようになりました。
音声言語とは違い、手話には独自の文化があって、私自身、一つの言語として大切にしています。
最後に
――それでは、最後に法律相談を検討されている方へメッセージをお願いします。
「離婚事件や犯罪の被害者、高齢者といった社会的に弱い方々に寄り添えるような弁護士であり続けたい」と思い、業務に励んで参りました。
「こういうことを弁護士に相談しても良いのだろうか」「弁護士に相談すべきなのかどうか悩んでいる」という方も、日常の中かで何かお困りごとがございましたら、お気軽にご相談に来ていただければと思います。
離婚問題のご相談を始め、債務整理や成年後見、遺言等のご相談などにも対応が可能です。
ご依頼いただいた方たちが抱えている問題を解決し、希望を持って再出発ができるよう力を尽くして参ります。