相談者(ID:36026)さんからの投稿
投稿日:2024年02月27日
ご担当者様
【現状】我々夫婦(共に50歳)は、妻が子供2人(長女・大学生、次女・4月から高校生)を置いて出て別居し、近所に住んでいるようです。いずれ離婚でしょうが、財産分与で長期化しそうです。
【問題】問題は生活資金です。私達は、私の給料を妻に渡す形で、お小遣い制でした。貯蓄はすべて妻の方でしており、貯蓄分を持って出られたので、私と子供達はたちまち生活に行き詰まっています。
【婚姻費用の請求】そこで生活のため、婚姻費用を請求したいです。私は年収920万円(控除前)で妻は推測650~750万円くらいかと思いますが、婚姻費用算定表(子2人15歳以上)をもとに見ると、8万円~10万円か10万円~12万円の辺りでしょうか。
【ご相談】そこで「婚姻費用は年収の高い方から低い方へ払うもの」というHPも見ましたが、専門的なお立場から見て、私の場合、請求は可能なものでしょうか?
子供達の学費に加え、普段の生活もありますので、何とか婚姻費用を獲得したいです。
離婚の話し合いは別途必要ですが、取り急ぎ婚姻費用だけ先に進めたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
ご記載の内容からすると、婚姻費用の請求ができる可能性が高いものと考えます。
「婚姻費用は年収の高い方から低い方へ払うもの」というのは、あくまで、一般的にそのような場合が多いというものにすぎません。
ご質問のように、年収の高い方がお子さんを養育されている場合で、年収の低い方にも一定程度の収入がある場合には、年収の低い方が高い方に婚姻費用を支払うことになる場合もあります。
ご記載いただいた年収をもとにすると、婚姻費用は8万円~10万円程度になるものと思われます。
ただし、お子様が15歳以上の場合の算定表は、公立高校の学費を基礎に作成されています。
お子さんの学費が算定表の予定している学費より高い場合※、学費のうち算定表が前提とする金額を超える金額をお二人の収入に応じて負担するという修正計算が行われ、算定表の金額より婚姻費用が増える場合もあります。
※上のお嬢様は大学生とのことですので、学費が算定表の予定する金額を超えることが多いように思われます。
また、下のお嬢様が私立高校に進学される場合、学費が算定表の予定する金額を超えるとして修正計算を行うことになる場合があります。
なお、裁判所での婚姻費用を定める手続(調停・審判)では、請求がなされた時から、婚姻費用を支払うという取扱いとなることが多いです。
(たとえば、3月に婚姻費用を請求し、7月に婚姻費用が月額10万円と決まった場合には、3月から6月までの婚姻費用30万円と、7月以降の婚姻費用月額10万円を支払うとされることが多いです。)
そのため、婚姻費用のご請求は早めに着手されることをお勧めします。
ご参考になれば幸いです。