一般的なスーツを着た堅いイメージの弁護士とは違い、パーカーを来てインタビューにご対応くださった中川先生。
フランクな雰囲気でお話くださる先生に将来のビジョンを訪ねたところ、「Update Japan(アップデートジャパン)」という言葉が。
既存の弁護士像を覆す弁護士事務所に成長させたい…そう語ってくださった東京スタートアップ法律事務所代表の中川弁護士へインタビューです!
「フランクで話やすい法律事務所を」
――お写真で拝見したとき、若々しい方だな、という印象だったのですが…。実際にお会いしてもお写真のままですね。
若々しいですか?(笑) 実はそれ、自分の悩みの一つなんですよね(笑)
一般的に弁護士と聞くと、ある程度年齢を重ねて落ち着いた雰囲気のある方を想像されると思いますから。
ご依頼者の中にはカチッとスーツを着て、固く威厳がある感じの先生がいいと言う方もいらっしゃいますし。
当事務所自体、年齢の若い弁護士も多いので、他の事務所さんに比べるとフランクなイメージかもしれませんね。ですが、それもいいかなと思っていて。というのも、あまりにも固い雰囲気の中だと、本当に話したいことを話せなかった…と感じる方もいらっしゃると思うんです。話やすい雰囲気づくりであれば…と思っています。
――なるほど…。「話やすい雰囲気」とおっしゃっておりましたが、相談をお聞きする中での中川先生の心掛けでしょうか?
心掛けと言われればそうなのですが、相手が求めていることにはしっかり応える、ということの方が重要視しているかもしれませんね。
お客様は人生の岐路に立っている状態でご相談にいらっしゃいます。なかには思い詰めている状態の方もいらっしゃるんです。
その時にかける言葉というのは、しっかり選ばなければいけないと思いますし、ほかにも、相手に不快な思いをさせない、お金を払っていただいている方に対して対価以上のものを提供する…という思いを心に留めておくことは、大切だと思います。
しかしこれはサービス提供者としての義務ですので、意識するまでもなく当然おこなうべきこととも思いますね。
もちろんほかの弁護士や従業員も同様で、自身の給料はお客様から払っていただくものによって成り立っているわけですから、ぞんざいな対応をしたり、偉そうな態度をとったりするのはあり得ないことですよね。
お客様に後悔させないように、できる限り尽力するようにしています。
東京スタートアップ法律事務所を、一番の法律事務所に
――現在、相談内容としてどのような案件が多いのでしょうか。
現在は民事だけでなく刑事事件にも注力しています。今後も引き続き、両方に力を注いでいけたらと考えていますね。刑事の場合、接見など依頼者に直接お会いしに行くこともありますが、それ以外は原則リモートやオンライン対応です。
――オンライン対応ということは面談もZOOMなどで行っているのでしょうか?
そうです。当事務所に所属する弁護士は基本的にリモート勤務なので、面談もZOOMなどテレビ電話を通して行っています。
実はかなり前からリモートでの業務化は進めていたので、コロナになったときもスムーズに業務を進めることが出来ました(笑)
基本的に初回相談は来所NGにさせていただいていて、電話またはビデオ通話で対応して。
eFax・Chatwork・Slack・Salesforceなど、当事務所ではさまざまなWebツールを導入しているので、在宅でも問題なく仕事できる体制が整っています。
――コロナの流行前からであれば、かなり新しい営業体制のように感じます。
実は、リモート対応によってさまざまな費用が削減でき、経営上のメリットが多いんです。
それが弁護士の給与にも反映することができるので、最終的には良い人材が集まりやすい。そして、通勤等で負担もかからないので弁護士にも余力ができ、その分依頼者に使える時間も増える。弁護士のパフォーマンスが上がり、納得いただける結果を獲得することが、ご依頼者にとって満足いただける結果に繋がるのではないかと思っています。
――リモートの対応がメインになると、何か不便なことはないのでしょうか。
借金問題に限っては、債務者から資料が大量に送られてきたりするので電子化が難しいですね。
なので、債務整理の分野に関しては徐々に撤退していこうと思っていまして、そのぶん相続や企業法務といった他の分野にも積極的に力を入れていきたいと考えています。
リモートに向かない分野だから依頼をうけないといった判断はやはり勇気がいることですし、怖い部分もありましたが、思い切りよくやっています。(笑)
「これでだめなら諦めようと」プロバスケット選手を夢見た過去
――中川先生は、どういったタイミングで弁護士になろうと決めたのでしょう。
他の弁護士のように幼いころからずっと目指していたわけではなく、もともとはプロのバスケット選手を目指していました。
――え!バスケットボールの選手ですか…!?
ただ、大学生の頃にこのままではプロになるのは厳しいと感じ始めまして。だからといって会社勤めは正直、自分の性に合わない。そんなときにもともとあった「一番になりたい」だったり「何者かになりたい」といった気持ちと、法学部にいたことで、弁護士を目指そうと決めました。
ただ、大学は内部進学だったため、本気で勉強に取り組むのが中学受験ぶりでしたので、とてもつらい思いをしながら勉強していた記憶があります(笑) その後は、ロースクールに通ったのち、1回目の試験にて無事受かることができました。
――そこから、中川先生の弁護士活動が始まったのですね。
そうですね。弁護士になってからはじめは、大阪にある法律事務所に入所することになりました。
そこはボスの弁護士が一人だけの小さい事務所で、さまざまな実務経験を積むことができましたね。退所した後は、友人の誘いで大手の法律事務所へ入所したんです。
その後はいろいろ挑戦しましたね。プロのバスケット選手になろうと試験を受けたり、アプリの開発に携わったり、株をデイレードしながら海外旅行したり…。
――株に海外旅行にアプリの開発ですか!業務と並行して行っていたんですか?
いえ、その期間は業務を離れていました。3年くらいですかね。
いろいろな活動を行う3年間であり、「自分は果たして何の仕事している人間なのか」という状況でしたね(笑)
そのような時に、経営者の友人に今後について話をしたことがあって、その友人に「法律事務所を作って大きくしてみてはどうか」といった助言をもらったことで、今の東京スタートアップ法律事務所を設立することになったんです。
事務所を設立するにあったって、事務所を作るのであれば大きな事務所にしたいと思い、開設当初からUpdate Japanといったビジョンを掲げて活動を始めました。
実は、この活動に関しても3年ぐらいで辞めるつもりだったんです。でも、事務所経営を行っていくうちに楽しくなってきました(笑) 開設当初よりUpdate Japan(アップデートジャパン)といったビジョンに向けて取り組んでみたいといった気持ちが強くなっていたのでもう少しやってみようと考えている所存です。
――アップデートジャパンとは、具体的にどういった目標なのでしょうか。
既存の弁護士像を壊し、新しい弁護士像を確立すること、そして日本のアップデートに貢献する。設立当初から掲げてきたビジョンです。
また、私としては、「海外企業を日本に参入させる」といったことを行って、東京スタートアップ法律事務所を1番の弁護士事務所にしたい、という強い想いがあります。個人の方だけではなく、法人の方にも層を広げていきたいんです。
ですが、法人様を相手にするとしても、今の日本の上場企業はほかの大手法律事務所と契約を結んでいることが多いんです。そうすると、既存の法律事務所に勝つことは難しい。ではマーケットを広げてみるのはどうか?と思ったんです。マーケットとして大きい、海外の企業に目を向けようと。
ですが、当事務所が海外に赴き、大きな企業と契約を行おうとしても日本同様に現地の法律事務所に負けてしまいます。そこで、海外の企業が日本に参入して、現地の法律事務所を探しているタイミングが一番の狙い目だと考えました。
そこを狙っていくことによって、日本企業よりも海外企業の方がお金もあるという状態で、国内の上場企業と契約している大手法律事務所にも勝てる見込みが出てくるのではないかと考えています。
ただ、そういった目標を実現させるためには、現在の個人様などを相手に法律問題の解決に専念して、十分な実績を作ろうと考えています。
――多くのインタビューをさせていただきましたが、そこまでの大きな展望を聞くのは初めてです。
もともとグローバルで活躍できる人間になりたいと考えがあったんです。でも英語が流暢に話せるわけではないし、その点にはコンプレックスを感じていて…。
今後、事務所の体制がさらに整い、私が不在であっても大丈夫なようなら、サンフランシスコやニューヨークへ留学に行きたい、と考えているんです。
――海外に支店を作りたいといったお考えもあるのでしょうか。
現在でも日本の法律事務所が海外に支店を置いているなんてこともありますが、私個人としては海外に事務所を置く必要はないと考えています。
わざわざ現地に法律事務所があるのに日本から来た事務所に依頼しなくてもいいと思いますしね。
当事務所としては「海外企業の日本参入」のタイミングを狙ってしっかり勝てるところで戦っていきたいと考えています。