財布は夫婦別にする?一緒にする?メリット・問題点と貯金のコツ

~いざという時の備えに~離婚マガジン

ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ) > 離婚マガジン > 夫婦問題 > 財布は夫婦別にする?一緒にする?メリット・問題点と貯金のコツ
キーワードからマガジンを探す
離婚マガジン
公開日:2022.3.10  更新日:2022.7.26

財布は夫婦別にする?一緒にする?メリット・問題点と貯金のコツ

本コンテンツには、紹介している商品(商材)の広告(リンク)を含みます。
ただし、当サイト内のランキングや商品(商材)の評価は、当社の調査やユーザーの口コミ収集等を考慮して作成しており、提携企業の商品(商材)を根拠なくPRするものではありません。

「結婚したら、財布は一緒にした方がいいの?」

「財布を別にしたら離婚率が上がるって聞いたけど、本当?」

「自分で自由に使えるお金もほしいし、貯金もしたい」

家計管理の方法は、多くの夫婦にとって悩みの種になっています。

結論からいうと、財布を分けるか一緒にするかは、夫婦次第です。

お金について話し合える関係であれば、生活はうまくまわるといえます。

とはいえ、他の夫婦はどのように家計をやりくりしているのか、なぜ夫婦別財布だと離婚率が上がってしまうのかは気になるところですね。

そこで今回は、夫婦が財布を別にするメリットや問題点、貯金のコツを紹介します。

離婚後の生活設計にお悩みの方へ

離婚検討時には様々な不安があります
その中でも最も多いのが「離婚後の収入やお金の不安」です。

離婚後の生活設計に見通しを立てたい場合は、共有財産の中でも最も大きな割合を占めるご自宅の価格を確認すると良いでしょう。

個人情報は不要、入力はたったの1分で完了します。
まずは無料のAI査定で、ご自宅の価格をチェックしてみませんか?

 

1分で完了! 無料査定スタート

【夫婦の財布事情】家計管理の方法

家計をやりくりする方法は、おもに3種類あります。

  1. 1つの財布…すべて1つの財布でやりくりする
  2. 2つの財布…夫婦別々の財布でやりくりする
  3. 3つの財布…2人共有の財布を新たに用意して、やりくりする

1つの財布は、すべての生活費を1つの財布で支払う方法です。

管理がしやすい点がメリットといえるでしょう。

パートナーが専業主婦・主夫の家庭や扶養内の家庭などで見受けられます。

2つの財布は、夫婦が別々の財布を持ち、分担する方法です。

たとえば、家賃や電気代などの固定費を夫側が、食費や日用品などの生活費を妻側が支払う、といった具合です。

支払い額を差し引いた残りのお金は自由に使えるため、共働き夫婦の間で増えつつあります。

3つの財布は、夫と妻それぞれの財布のほか、新たに共通口座を用意して管理する方法です。

仮に「毎月〇日に、✕✕万ずつ共通口座にお金を入れる」と夫婦間でルールを決めたとしましょう。

指定の日に、お互いが口座に入金します。

その口座から、住居費や食費、生活費を支払う形です。

生活にかかる費用の管理がしやすく、また双方の口座も独立しているので、「自分で使えるお金」もあります。

3種類ある家計管理のうち、おすすめの方法です。

なぜ「夫婦別財布にすると離婚率が上がる」といわれる?

「夫婦別々の財布にすると離婚率が上がる」といわれる理由には、金銭感覚の違いや、意識の問題などが考えられます。

裁判所の司法統計によると、令和元年度の離婚原因は男女ともに「性格が合わない」となっています。

【男女別:離婚の原因】

 

1

性格が合わない

性格が合わない

2

精神的に虐待する

生活費を渡さない

3

異性関係

精神的に虐待する

4

家族親族と折り合いが悪い

暴力をふるう

5

浪費する

異性関係

6

性的不調和

浪費する

7

暴力をふるう

家庭を捨てて省みない

8

同居に応じない

性的不調和

9

家庭を捨てて省みない

家族親族と折り合いが悪い

10

生活費を渡さない

酒を飲み過ぎる

引用元:裁判所|司法統計 結果一覧

(令和元年度 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別 申立人別―全家庭裁判所)

 

しかし、ランキングからは男女ともに、「浪費する」「生活費を渡さない」といった金銭トラブルも複数上がっており、離婚の原因になっているのがわかります。

夫婦別財布は、共有財布に比べて、自身のお金を自由に使えるのが魅力です。

ギャンブルや娯楽をしたり、ブランド品を購入したりすることもできるでしょう。

お金の使い方が自由だからこそ、浪費や借金をしやすくなります。

独身時と同じ感覚で、「自分で稼いだお金=自分で使える」と思っている方もいるかもしれません。

加えて、財布がそれぞれ別なため、相手の収支がわかりません。

ゆえに、生活費の負担額に対し「俺ばかり支払っている」「共働きなのに、どうして貯金できないの?」と、不公平さや不満を感じやすくなるのです。

夫婦別財布にすると離婚率が上がるといわれるのは、全体のお金の流れが見えない、負担額に不公平さを感じる、共有の財産だという意識が薄れてしまう、といった問題が関係しているといえます。

離婚を検討している方はこちら

夫婦の財布を別にするメリット

夫婦別財布には、以下のようなメリットがあります。

  1. 自由に使えるお金がある
  2. お金の使い道を干渉されない
  3. 生活費の負担が軽くなる

自由に使えるお金がある

最大のメリットは、自由に使えるお金がある点です。

共通の財布では、自分の好きなものを好きなタイミングで購入するのは難しい傾向があります。

「今月は、夫の出張で想定外の出費があったから、衣服を買うのはやめようかな」と、ときには我慢が必要になるからです。

一方、夫婦の財布が別の場合は、独身時代と同じ感覚でお金を使えます。

生活費を差し引いた残高は自由に使えるため、自分のご褒美に少し高価なカバンを買う、節約して貯金をするなど、思いどおりにできます。

お金の使い道を干渉されない

お金の使い道を干渉されないのもメリットです。

財布を一緒にしていると、「商品をいつ買ったか・どこで買ったか」が丸わかりになるケースも珍しくありません。

今はキャッシュレスも普及してきており、支払いのたびに「通知」が来ることもありますよね。

「今日〇〇店行ってきたの?」と、干渉されやすい側面があります。

その点、別財布であれば趣味に使う、旅行する費用を貯める、投資の資金にするなど、干渉されずに使うことができます。

パートナーに知られないのでサプライズもしやすいですね。

好きなときに好きなものを買いたい方には、大きな魅力ではないでしょうか。

生活費の負担が軽くなる

夫婦で別の財布にすると、生活費の負担が軽くなります。

なぜなら、それぞれ生活費を分担して負担するからです。

夫婦の考え方にもよりますが、たとえば住宅ローンや電気代といった「固定費」は夫負担、食費や日用品、子どもの習い事の月謝などは妻負担、と分けている家庭も見受けられます。

どちらか1人が全額負担するのではなく、役割分担をするため、生活費の負担が軽くなります。

それぞれの手元にお金が残るので、気持ちに余裕ももてるでしょう。

意欲があれば、貯金額を増やせる可能性も十分ありますね。

夫婦別財布の問題点

夫婦別財布の大きなデメリットは、相手の収支が見えないところです。

その他、問題点を3つ紹介します。

  1. 家計の収支を把握できない
  2. 急な出費の際に困ることがある
  3. 不公平感がある

家計の収支を把握できない

夫婦で財布を分けると、家計の収支を把握しにくくなります。

例えば、固定費の負担は夫がしているとしましょう。

毎月の固定費といっても、内訳はさまざまです。

「固定費が高いから、一緒に節約しよう」といわれても、夫から内容を見せてもらわない限り、妻側は詳細を知ることができません。

どの費用なら節約が可能か、どの程度減らせるかなど、具体的な内容がわからないと、節約したくても、どうしていいのかわかりませんよね。

借金を抱えている可能性もあるかもしれません。

2人合わせた総資産額が不明であり、全体のお金の流れが見えないため、定期的な話し合いが重要になります。

急な出費の際に困ることがある

急な出費に困ることがある点もデメリットです。

一緒に生活していくなかで、「予定外の出費」もでてきます。

【臨時出費の例】

  1. 出張
  2. 家電の損壊
  3. 自動車の故障
  4. 車検
  5. 友人・知人・親戚の冠婚葬祭
  6. 妊娠・出産

どちらかの収入が減ってしまう可能性もあり得ます。

上記のような出費がでた際、どちらが負担するか決めていますか?

夫婦別々の財布は、自由に使えるお金がある分、自己管理が必須です。

自分で意識して貯金しなければ、お金は貯まりません。

そのため、いざというときに「まったく貯金がない」「相手に貯金があると思っていた」と、揉める原因になります。

パートナーに貯金がなかった場合、不信感にもつながるでしょう。

不公平感がある

生活費を、完全に折半するのは困難です。

したがって、不公平感が生まれやすいデメリットがあります。

光熱費などの季節で変動する費用もあれば、「今月ちょっと払えなくて…代わりに支払って?」とお願いされるケースも考えられます。

最初のうちは気にならなくても、時間とともに、「俺の負担が多くない?」「どうして、いつも私ばかり支払わなければならないの?」と、不平不満に変わっていきやすいです。

別財布を検討する際は、支出項目の分担をするだけでなく、毎月の貯蓄額なども決める必要があるでしょう。

夫婦が別財布で貯金をするコツ

夫婦が仲良く生活するためには貯金は欠かせません。

以下3つのコツを意識して、お金を貯めましょう。

  1. 共同の口座を作る
  2. 貯蓄計画や収支などの情報を共有する
  3. 急な出費時の対応を話し合っておく

共同の口座を作る

共同の口座を用意しましょう。

固定費の引き落としや、生活にかかる費用の支払いは、この共同口座からおこないます。

家計専用の口座を共有することで、お金の流れが明確になります。

支払い元が統一されるので、管理もしやすくなりますね。

月末に残高が残ったら、貯蓄にまわすことも、2人で「ごほうび」に使うことも可能です。

お互いに一定額を支払っているので、「俺の方が多く払っている」「私ばかりが損をしている」といった不公平感がなくなり、ストレスの軽減も期待できるでしょう。

貯蓄計画や収支などの情報を共有する

アプリや家計簿などで、お金の流れを見える化(可視化)するのも有効です。

なぜなら、長期的な計画も立てやすくなるからです。

引っ越しをしたい、海外旅行に行きたい、買えなかった結婚指輪を買いたいなど、夫婦でしたいこと、叶えたい夢もあるのではないでしょうか。

実現させるためには、長期的な計画が必要になります。

計画を達成させるコツは、「目標や内容を具体的に決める」です。

そこで便利なのがアプリです。

アプリは、毎月の収支が一目でわかるほか、前月との比較などもできます。

節約のポイントも見つけやすくなるため、家計管理を見直す際に活躍するのではないでしょうか。

急な出費時の対応を話し合っておく

急な出費時の対応を話し合っておくのも大切です。

事故やケガ、入院、冠婚葬祭など、急な出費を要する機会も多くあります。

妊娠・出産にもお金がかかります。

【対策例】

  1. 共同口座に「緊急用」のお金も入れておく
  2. 賞与から一定額を緊急用にまわし、金庫に入れておく
  3. 貯金用の共同口座をつくる
  4. 双方が責任をもって自身の口座で貯金しておく

万が一、急な出費があってもスムーズに対応できるよう、対策を立てておきましょう。

夫婦の財布事情をとおして意識してほしいこと

夫婦が一緒に生活するうえで、お金の問題は避けてとおれません。

とはいえ実際のところ、聞けない・いいたくないと感じている夫婦もいるようです。

財布事情を通して意識してほしいことを紹介します。

お金の話題を「話しにくい」と思わない

お金の話しは、夫婦でも話しにくい話題かもしれません。

しかし、生活に直結するからこそ、話し合いが大事です。

「聞いたらダメかな?」と思わず、聞きましょう。

また、自分の収支もパートナーと共有し、現在のやりくりや今後の貯蓄のことなどを伝えましょう。

考えを伝え、パートナーの意見も聞くと、対策を立てられます。

解決策が見つかる可能性も上がるでしょう。

相手の金銭感覚を知ることもできますね。

財布が一緒であっても、別々であっても、重要なのはコミュニケーションです。

お金は共有の財産という意識をもつ

「俺が稼いだお金は、どう使おうが俺の勝手だ」「私のお金は私のもの」と思っていませんか?

お金は共有の財産という意識をもちましょう。

夫婦間で金銭感覚が大きく異なる場合、生活に直結して結婚生活が破綻、離婚に至る可能性があります。

職場によっては、努力しても収入アップにつながらないところもありますね。

そのため、収入に差がでるのは仕方のないことであり、生活費をきっちり半分に分けるのは難しいのです。

夫婦円満で暮らすためには、夫婦で協力し合い、助け合う気持ちが必要です。

「俺(私)ばかり!」ではなく、「お互いさま」だと心得て、協力し合いましょう。

普段から夫婦でお金について話し合おう

家計管理で重要なのは、お金の流れをお互いが把握していることです。

「1つの財布にすれば成功し、別々にすると失敗する」といい切れるものではなく、各家庭によります。

「お金の話しに触れたくない」「話しにくい」と思わず、お金について話し合いましょう。

夫婦が円満に暮らすには、コミュニケーションが欠かせません。

双方が収支をオープンにし、日頃からお金について話し合えれば、財布が別であっても、よりよい生活を送れます。

よく話し合うことで、信頼は深まり、夫婦の絆は強くなるものです。

この機会にパートナーと、お金の管理について話し合う時間を作りませんか。

夫婦問題に関する新着マガジン

夫婦問題に関する人気のマガジン

編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

夫婦問題マガジン一覧へ戻る
弁護士の方はこちら