弁護士と聞くと、法律の仕事が主だと思われる方がほとんどかと思います。
青森市には、弁護士としてだけでなく、災害救助犬や警察犬の訓練をしながら、いのちを助ける活動をしている弁護士がいます。それが、『LRT法律事務所』の山口弁護士です。
相棒は、ラブラドルレトリバーの「ぶちょお」と後輩の「そら」です。2つのLIFEを大切にしている、山口弁護士にお話を伺いました。
弁護士として、災害救助犬・警察犬の指導手又はハンドラーとして多彩な活動
――山口先生の特徴といいますか、弁護士以外に災害救助犬や警察犬の訓練をしながら、いのちを助ける活動をされているそうですね。インスタグラムにも、可愛い犬の写真をたくさん掲載されていますよね(笑)
ありがとうございます(笑)北東北捜索犬チームに参加しています。
――災害救助犬や警察犬と聞くと、専門の犬が育成されるイメージが強いのですが…。北東北捜索犬チームでは、訓練を積んで一人前になっていくんですね。
そうですね。もともと災害救助犬や嘱託警察犬、セラピー犬が不足しているため、家庭で飼っていワンちゃんたちで、飼主さんも一緒に練習をしています
――ちなみに、山口先生がこうした活動を行うきっかけがあったのでしょうか。
警察犬や救助犬育成活動は、2015~2016年頃からチームに参加しました。もともと犬が好きだったんですが、「ぶちょお」が匂いでものを探すのが好きだったんです。その特技を他のことに活かせないかな、と思ったことがきっかけで、この活動に参加しました。
今では、突然来る災害に備えて、命を救えるように日々厳しい訓練に、「ぶちょお」「そら」と励んでいます。
弁護士としても依頼者の「生活」を守る
――ワンちゃんの話も聞きたいんですが、いくらでも話せてしまうので、ここから法律家としての山口先生のお話も伺いましょう。もう今お話しした感じで、どちらかというと弁護士というイメージよりも、救助犬の訓練をされる方というイメージが強くなったんですが、山口先生が、弁護士を目指したきっかけはあるのでしょうか。
学生の頃から漠然と法律関係の仕事に就きたいという想いがありました。
司法試験に合格した後、司法修習生の時代に、裁判官や検察よりも柔軟な弁護士の方が、色んなことができるのではないかと考えて、弁護士の道に進んだんです。
――なるほど。確かに、今は災害救助犬の育成と、法律という2軸で「LIFE」を守っていらっしゃるので、山口先生にぴったりだなと思いました。
ありがとうございます(笑)
――弁護士として依頼者を助けること、そして休日は「ぶちょお」や「そら」と一緒に、誰かを助ける訓練をすると。
そうですね。そういった循環は、自分のモチベーションに繋がっているんだと思います。
――事務所を青森に開設されたのは、青森のご出身だからなのでしょうか。
はい。
青森は私が生まれ育った街なので、そんな青森に恩返しがしたいという想いで、事務所を開設しました。
法律問題を依頼するメリットって、弁護士という存在に、自分が抱えている悩みを半分預けられることだと思うんです。問題を一人で抱えずに済みますし、弁護士と一緒に、納得できる解決を目指せます。精神的な負担を軽くできる、という面で地域の皆様のお力になれたら…という思いもありましたから。
一緒に悩み相談して解決を目指す
――ちなみに、山口先生のもとに寄せられる相談はどういったものが多いのでしょうか。
離婚、それ以外の一般民事もまんべんなく対応しています。最近は家庭裁判所に行く機会が、非常に多いですね。
――弁護士として、相談者に接する際に心掛けていらっしゃることはありますか?
そうですね、話をしっかり聞いて、本人が相談したい表面的な問題だけでなく、本質的な課題を探るようにしていますね。
例えば、自己破産の相談に来た方は、自己破産をしたいというのはあると思うんですが、もっと踏み込んで考えれば借金そのものを解決したいわけです。お金の使い方とかそういうことですね。
――離婚の問題もそうですが、離婚の方法というよりは、離婚後の生活が不安だったり、それをクリアできるような解決を提示したりするということでしょうか。
そうですね。単体ではなく、本質や、その先の問題も一緒に見るようにしています。
あとは、話をよく聞くことですよね。色んな意味で自分の主張をしすぎないことで、よりスムーズに解決しやすくなると思います。
――なるほど。やっぱりグイグイ引っ張っていって、「こうしたほうがいい」と、意見をどんどんくれる弁護士と、話をじっくり聞いて、一緒に答えを探って、依頼者の声に耳を傾けて一緒に歩んでくれる弁護士と分かれますよね。
そうですね。もともと自分の性格が、あまり主張が強いタイプではないのもあると思います。どちらかというと、「一緒に解決していこう」という二人三脚タイプですね。
本当に何から何まで弁護士に決めてもらった方がいいという方もいると思うんですけど、結局法律の問題って、その後の人生に大きく影響すると思うんです。だからこそ、決まった答えを提示されるよりも、自分が納得いくまで相談できて、一緒に解決していこうという姿勢をもちたいな、と思います。
――なるほど…!今お話をしていて、非常に穏やかでお話しやすいのも山口先生の魅力ですよね。
ありがとうございます(笑)
やっぱり話をじっくり聞くということを大切にしているので…。相談者の方からも、話しやすかったと言われることが多くて嬉しいですね。基本的に、スーツは来ていません。普段からラフな格好も話しやすいようにはしています。
地域に密着しながら2つの「LIFE」を守る
――『LRT法律事務所』、お名前の由来を伺ってもいいですか?
はい。Lは「LIFE」のLです。Rは「Rescue」、そしてTは「Team」ということで、LRTです。
休日は北東北捜索犬チームとして、行方不明者の「いのち」を、平日は弁護士として、依頼者の「生活」を守っています。それが事務所名の由来です。
――素敵ですね。まさしく山口先生の活動にぴったりな事務所名だと思いました。
これからも地域密着型のスタイルで、相談者・依頼者の生活を守っていけるように頑張ります。悩んでいる方はもちろんですし、犬が好きな方でも構いません
ご夫婦で話し合いをして煮詰まったとき、折り合わなくなったとき、どういう風に話を進めればいいのかわからなくなったら、まずは一度ご相談ください。