頼りになる弁護士は、【4つのポイント】で見極めます。
養育費減額調停の弁護士費用相場|調停・審判手続きガイド
養育費減額調停を弁護士に依頼した場合の弁護士費用の相場は、一般的に40~50万円程度です。
なかには「生活が苦しいから養育費を減額したいのに、弁護士費用なんて支払えない」という方もいるかもしれません。しかし弁護士費用は一律ではないため、費用を抑えるポイントを踏まえておけば、相場以下で依頼できる可能性があります。
なお養育費については、2019年12月23日に裁判所HPにて養育費算定表の改訂版が公表されました(養育費・婚姻費用算定表|裁判所)。改定前の金額に比べると相対的に底上げされているようで、2019年12月23日以降の養育費については改定後の金額をもとに判断することになります。
この記事では、弁護士費用の相場と費用を抑える方法、弁護士費用が高額になりやすい事務所の特徴、養育費減額調停や審判手続きの流れについて解説します。
養育費減額調停の弁護士費用の相場はいくら?
ここでは、養育費減額調停を弁護士に依頼した場合の相場について解説します。
弁護士費用の内訳
弁護士費用は基本的に、相談料・着手金・減額報酬金・実費・日当の4つで構成されています。
- 相談料:相談する際に時間単位で発生する費用で、依頼後は発生しないケースが多い
- 着手金:依頼に着手する際に発生する費用で、基本的に前払いで請求される
- 減額報酬金:減額が成功した場合に支払う報酬
- 実費・日当:弁護士の交通費や遠方の裁判所に弁護士が出張した場合などの日当、調停手続きの際に必要な申立て費用など
弁護士費用の相場
養育費減額調停を弁護士に依頼した場合、弁護士費用の相場は以下のとおりです。
弁護士費用の内訳 |
費用の相場 |
相談料 |
5,000円~1万円/1時間 |
着手金 |
20〜40万円 |
報酬金 |
20〜40万円 |
実費 |
2,000円~(調停申立て費用) |
基本的には合計で40~50万円程度になることが多いでしょう。ただし弁護士費用は一律化されていないため、事務所ごとに費用は変動します。
経済的利益とは
経済的利益の対象は、事務所ごとに変わります。多くの場合、調停の結果、支払わずに済んだ金額が経済的利益となります(養育費減額調停の場合)。
例えば「6万円の養育費を支払うことになっていたが、調停の結果4万円の支払いで済むことになった」という場合には、2万円が経済的利益となります。
ただし事務所によっては、はじめに請求された金額を経済的利益として考えることもあります。
弁護士費用が高額になりやすい事務所の特徴
なお基本的な費用が安くても、以下のようなことを言われたり、契約書に記載されていたりした場合、費用が高額になってしまう可能性があります。
- 継続的給付債権で、受け取る総額の〇%(10分の〇)を経済的利益とする
※継続的給付債権:毎月一定の金銭を受け取る債権のことで、養育費も含まれる - 減額できた養育費〇年分の総額を経済的利益とする
①の場合、養育費を受け取るたびに弁護士への支払いが必要になります。また②では、今後養育費を支払う年数が長いほど高額な費用の支払いが求められるでしょう。
養育費減額調停の弁護士費用を抑えるための4つのポイント
弁護士費用は一律ではないため、事務所探しに力を入れれば費用を抑えられる可能性があります。ここでは弁護士費用を抑えるためのポイントを解説します。
各事務所の費用体系を比較検討する
各事務所で弁護士費用には幅があります。基本的には40~50万円程度になることが多いものの、事務所によってはそれより安価で依頼できることもあるでしょう。
今では見積もりだけ出してもらえる事務所も多くあります。なるべく費用を抑えたい方は、複数の事務所に見積もりを出してもらい、その中から最も安いところを選ぶというのも効果的でしょう。
相談料や着手金が無料な事務所を探す
事務所によっては、初回相談料や着手金を無料に設定しているところや、「相談料・着手金0円で報酬金のみ」という完全成功報酬制を採用しているところなどもあります。
着手金無料だからといって総額が安く収まるかどうかはケースバイケースですが、すぐに弁護士費用を準備できない方にはおすすめです。また複数の事務所から見積もりをもらいたい方は、無料相談を活用することで相談料を抑えられます。
分割払いが可能な事務所に依頼する
弁護士費用は一括払いが原則ですが、なかには分割払いに対応している事務所もあります。
「養育費の支払いすら厳しく、とても一括払いできる余裕がない」という状態でも、分割であれば払えるという方もいるでしょう。支払い回数など、詳しくは直接依頼先と相談して決めることになります。
できるだけ早いタイミングで依頼する
特に離婚問題の場合、当事者だけで対応していると話がうまく進まずに泥沼化してしまうことも珍しくありません。そのようなケースでは、弁護士に依頼しても問題解決までに時間と手間がかかってしまい、結果的に費用がかさんでしまう恐れがあります。
できるだけ早いタイミングで依頼することで、早期の問題解決が図れるだけでなく、弁護士費用を抑えることにもつながります。
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養育費減額調停を弁護士に依頼する9つのメリット
養育費減額調停を弁護士に依頼する最大のメリットは、調停委員への交渉を代理で行ってくれる点です。
養育費減額調停で最善の結果を得るためには、減額請求までに至った事情や、あなたの要求などを調停委員に正しく理解・共感してもらうことが重要です。弁護士は、そうした点も踏まえておりますので、自身で行うよりも最善の結果に近づけるでしょう。
弁護士に依頼するメリットをまとめると、以下の通りです。
弁護士に依頼する9つのメリット |
|
養育費減額調停の申立ての方法|必要な費用と書類
養育費減額調停の申立て先や必要な費用、書類などを解説します。
申立て先
養育費減額調停は、相手の住所地を管轄している家庭裁判所、もしくは合意によって決められた家庭裁判所に申立てを行います。
申立てにかかる費用
申立て費用は以下のとおりです。
- 収入印紙:1,200円(子供1人につき)
- 郵便切手:1,006円分(東京家庭裁判所の場合)
郵便切手の内訳 | |
郵便切手の金額(円) |
枚数(枚) |
100 |
2 |
82 |
8 |
10 |
14 |
1 |
10 |
各裁判所で必要な郵便切手代や枚数は変わりますので、注意してください。
申立てに必要な書類
申立ての際は、以下の書類を用意してください。
- 申立書:3通(裁判所に3枚複写式の申立書があります)
- 事情説明書:1通
- 連絡先などの届出書:1通
- 進行に関する照会回答書:1通
- 子の戸籍謄本(全部事項証明):1通(3ヶ月以内に発行されたもの)
なお申立て後に、源泉徴収票などの収入に関する書類や、過去の支払い状況が分かる資料の提出を求められることもあります。
養育費減額調停が不成立になった場合|審判手続きとは
養育費減額調停が不成立になると、審判手続きに移行します。ここでは審判手続きに移行しても落ち着いて対応できるよう、基礎知識を解説します。
審判手続きとは
審判手続きとは、養育費減額調停が不成立になった場合に行われるもので、当事者の提出書類や家庭裁判所調査官の調査結果などを裁判官が参照し、減額の可否や金額について決定していきます。
なお審判手続きへは自動的に移行するため、再度申立てる必要はありません。
決定に不服がある場合
ここでの裁判官の決定は「審判」といいます。審判に不服がある場合、2週間以内であれば、不服の申立てを行い高等裁判所で再審理してもらうことが可能です。
審判手続きと弁護士
調停はあくまで協議であるため、調停手続きで必ずしも十分な主張立証がされるものではありません。
そのため、弁護士が審判手続きへ移行した段階で、必要な主張・立証を追加で行うことはあり得ます。
まとめ
少しでも弁護士費用を抑えたい方は、無料相談を活用して各事務所の見積もりを比較するのが有効でしょう。すぐに弁護士費用を準備できない方でも、着手金無料の事務所や、分割払い可能な事務所を探すなどの選択肢があります。
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