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ひとり親(母子)家庭が医療費免除(助成)を受けるための所得条件と申請方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
ひとり親(母子)家庭が医療費免除(助成)を受けるための所得条件と申請方法

母子家庭の医療費は『ひとり親家庭等医療費助成制度』を受けることで全額負担してもらえる可能性があります。

医療費を全額負担してもらえたら、生活が少しは楽になりますし、安心して病院に行けますよね。実際に母子家庭における保険医療費は以下のような割合を占めています。

(参考:平成26年全国消費実態調査|総務統計局)

この1万7,713円のなかには家事用品・被服費も含まれておりますので、6,000円前後が毎月かかる保険医療費として考えられます。

毎月6,000円の出費を抑えられれば、その分貯金や子供の教育費などに充てることができます。この記事では、「ひとり親家庭等医療費助成制度でどのくらい助成してくれるの?」「受けられる条件はあるの?」などといった疑問について解説します。

また、申請方法や受けられなかった場合に検討をおすすめする類似制度も紹介します。

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ひとり親家庭等医療費助成制度とは

ここでは、母子家庭の医療費を負担してくれる、ひとり親家庭等医療費助成制度で助成される金額・対象者・助成対象の医療費などについて紹介します。

ひとり親家庭等医療費助成制度で助成される金額

ひとり親家庭等医療費助成制度は住民税を課税されているかどうかで全額負担か1割負担か変わります。住民税非課税の人は全額負担になります。

住民税課税者は、医療費に対し1割は自己負担になります。ただし、自己負担額に上限が決められていますので、上回った部分は役場に申請することで返金してもらえます。

上限金額は、個人で月1万2,000円(外来)また世帯で月4万4,400円(外来)になっています。

助成の対象になる・ならない医療費

対象になる医療費

助成の対象になる医療費とは、医療保険の対象になる以下のようなものです。

  • 身体の不調に関する診療費
  • 処方された薬代
  • 処置・手術などの治療費
  • 治療材料(コルセット・包帯など)の費用

入院も対象になりますが、月額の上限が決まっている場合があります。また、差額ベッド代については全額自己負担です。

対象にならない医療費

助成の対象にならない医療費は以下のようなものになります。

  • 医療保険の対象にならない医療行為の費用:美容整形・マッサージ・健康診断・予防接種・中絶や不妊治療など日常に支障がないものの治療
  • 学校の管理下でけがをして『災害救済給付制度』の対象になる医療費:給付金でから支払い、負担します。足りない部分は自己負担
  • 高額療養費附加給付に当たる医療費

他の制度と二重に助成してもらうことはできません。もししてしまった場合は、不正受給となるので注意してください。

助成の対象になる人・ならない人

対象になる人

母子(父子)家庭で18歳未満の子供がおり、所得が限度額を満たしていない人が助成の対象になります。ひとり親家庭になった経緯は関係ないので、離婚・死別は問いません。

子供に障害がある場合、自治体によっては20歳未満まで対象になりますが、対象者の範囲が変わることもあるため、各市区町村のホームページで確認しましょう。

東京都あきる野市では、両親が揃っていても所得が低くどちらかに重度の障害がある場合は助成対象です(詳細:ひとり親家庭等医療費助成制度|あきる野市)。

対象にならない人

対象にならない人は以下の通りです。

  • 母子(父子)家庭でも所得が限度額以上ある人
  • 生活保護を受けている人
  • 施設や刑務所などに入所している人

生活保護を受けている場合、医療扶助があり医療費が無料になるので、併用することはできません。

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母子家庭の医療費が控除される所得の限度額はいくら?

ひとり親家庭等医療費助成制度を受ける上で重要な条件の1つである所得限度額はいくらなのでしょうか。ここでは、所得の限度額について紹介します。

所得の限度額

所得の限度額は市区町村によって変わってきます。新宿区では、以下のように定められています。

子供の人数

ひとり親の所得額

1人

230万円

2人

268万円

3人

306万円

4人以上

1人増えるごとに38万円の加算

(参考:ひとり親医療費助成|新宿区)

所得額とは

所得額は年間収入から給与所得控除・必要経費と次に紹介する控除額を差し引いた金額になります。また、元配偶者から受け取っている養育費は、年間合計金額の80%を所得として考えます。

所得から差し引く控除額

以下のようなものを所得から差し引きます。ここで紹介する控除額も市区町村によって変化しますので注意してください。

  • 一律所得(社会保険料相当):8万円
  • 障害者・勤労学生・障害者扶養控除:27万円
  • 雑損・医療費など:課税したときに実際に控除された金額

母子家庭では以上のようなものが控除の対象になります。自身で計算するのが難しい場合は市区町村役場に相談してみてください。

ひとり親家庭等医療費助成制度の申請方法

自身が対象に当てはまったなら、市区町村窓口で申請を行いましょう。ここでは申請方法について紹介します。

申請に必要なもの

申請する際は主に以下のものが必要になります。

  • 申請者と児童の戸籍謄本(1ヶ月以内のもの)
  • 申請者と児童の健康保険証
  • 現在の年度の住民税課税(非課税)証明書:前年度の所得・控除・扶養の内容が記載されているものが必要です。
  • 申請者の身元が確認できるもの
  • 障害認定診断書(親もしくは児童が障害を抱えている場合に限る)
  • 児童扶養手当証書(児童扶養手当を受給している場合に限る)

状況によっては上記以外の書類も求められることがあります。申請前に市区町村役場に連絡し、確認しておくと書類不足になる心配がありません。

申請から利用開始までの期間

申請し助成が認められたら、市区町村役場から『ひとり親医療証(マル親)』が送られてきます。

申請から1ヶ月~数ヶ月かかってしまうこともありますので、1ヶ月を過ぎて何も連絡がない場合は市区町村役場に相談することをおすすめします。

ひとり親医療証が届くまでの医療費は、後日返金される可能性がありますので、領収書はしっかりとっておきましょう。

申請が認められなかったら?

申請しても認められないということもあります。そのような場合は、窓口になぜ受けられないのかをしっかり説明してもらいましょう。もし、受けられない場合は『小児医療費助成制度』が利用できるか確認することをおすすめします。

小児医療費助成制度とは

小児医療費助成制度は、15歳未満の児童が健康保険を利用して受けた医療行為の医療費を助成する制度です。親の分は助成されませんが、ひとり親家庭等医療費助成制度よりも対象が多くなりますので、受けられる可能性が高いでしょう。

助成を受ける方法

ひとり親医療証が手元に届いた後に病院にかかる際どのように助成を受ければよいのか紹介します。

申請した市区町村内の医療機関を受ける場合

助成対象になる医療行為を申請した市区町村内の医療機関で受ける場合は、健康保険証と一緒に『ひとり親医療証』を提示することで助成を受けられます。

申請した市区町村以外の医療機関を利用した場合

申請した市区町村以外の医療機関で対象になる医療行為を受けた場合は、いったん窓口で費用を支払い、その後に市区町村役場で医療費助成の申請を行いましょう。

申請の際は以下のようなものが必要になります。

  • 医療証に記載されている保護者名義の金融機関の口座番号がわかるもの。
  • 医療機関の発行する保険点数と受診した人の名前が記入されている領収書(コピー不可)。
  • 印鑑(認め印可)

(引用:都外での受診等による医療費自己負担分の請求について)

助成適用外(高額療養費)の医療を受ける場合

治療や入院が長引くなど、医療費が高額になってしまう場合は、ひとり親家庭等医療費助成制度ではなく『高度療養制度』が利用できる可能性があります。

高度療養制度は、所得や年齢に応じて決められた上限額を1ヶ月の医療費が超えた場合、超えた部分の費用を支給してもらうことができる制度です。受ける際は、加入している健康保険先までご相談ください。

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ひとり親家庭等医療費助成制度が受けられなくなるケース

生活環境の変化に伴い、助成を受け続けられなくなることがあります。以下のような場合、助成を受け続けることはできませんので注意してください。

  • 生活保護を受けた
  • 市区町村を転出した
  • 子供の年齢が18歳に達した
  • 所得が制限額を超えた
  • 再婚または同棲などによる事実婚をした(父親が家に戻った場合も含める)
  • 児童が施設や里親に預けられた
  • 申請者または児童が死亡した

資格がなくなったにもかかわらず、ひとり親医療証を利用して医療を受けた場合は、後日返金が求められるので注意しましょう。

まとめ

この記事で紹介したひとり親家庭等医療費助成制度などの制度を上手に利用することで、家計にかかる負担を軽くすることができます。

このほかにも、児童扶養手当など母子家庭を支える制度がありますので、市区町村役場などで説明を受けることをおすすめします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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