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公開日:2021.6.25  更新日:2021.6.25

離婚したら保険はどうなる?離婚に伴う公的医療保険や年金の扱いを解説

日本橋神田法律事務所
山口 寛
監修記事
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離婚にあたっては、さまざまな手続きが必要です。

配偶者の医療保険に家族として加入していた場合は、役所での離婚届の提出とあわせて離婚後の医療保険について手続きを進めなくてはなりません。

離婚に伴って生じる医療保険の変更や国民年金の扱いについて解説します。

この記事に記載の情報は2021年06月25日時点のものです

医療保険の種類

医療保険には、ここで挙げる3つの種類があります。

医療保険の種類

主な特徴

公的医療保険

  • 国民健康保険・各種の健康保険組合(共済)・全国健康保険協会といった、国民の誰もが加入している医療保険
  • 保険証の提示によって医療費負担の割合を軽減する

公的年金

  • あらかじめ支払った保険料をもとに、一定の条件で生活資金として年金が支払われる制度
  • 会社員とその配偶者は厚生年金に、自営業・無職・学生は国民年金に加入する
  • 老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金などが給付される

民間医療保険

  • 民間の保険会社や共済などが運営する保険商品
  • がん保険・三大疾病保険・女性特有疾病保険など運営元が自由に商品を提供している

離婚時の公的医療保険はどうなる?

離婚をすると、配偶者や子どもと離別して家族構成が変わるため、必ず公的医療保険の手続きを取らなくてはなりません。

手元にある保険証から自身が加入している公的医療保険の種類を確認して、手続きを進めましょう。

配偶者が勤める会社の医療保険に入っていた場合

おもに会社員の夫をもっていた専業主婦などが該当するケースです。

配偶者が勤めている会社の公的医療保険の被保険者として加入しており、離婚によって扶養家族から外れるので、同じ保険を継続することはできません。

無職のまま、あるいは自営業やパートをするなら国民健康保険に、あらたに就職するなら就職先の医療保険に加入します。

扶養家族として国民健康保険に入っていた場合

おもに自営業者の夫をもっていた専業主婦などが該当するケースです。

実は、国民健康保険には扶養家族という考え方はなく、保険料は世帯全員分で算出されます。

離婚によって別の世帯になるので、市区町村の窓口での手続きが必要です。

自身が勤める会社の医療保険に入っていた場合

自分自身が会社の正社員として働いていて、配偶者とは別に公的医療保険に加入しているケースです。

夫婦がそれぞれの勤務先で医療保険に加入していればとくに手続きは必要ありませんが、自身の配偶者を扶養家族として医療保険に加入させていた場合は会社での手続きが必要となります。

自身が世帯主として国民健康保険に入っていた場合

自分自身が自営業者で国民健康保険の世帯主だった場合は、家族構成が変わることで保険料が変わります。

自分の保険証はそのまま使用できますが、配偶者・子どもの保険証は使えなくなるので、役所の窓口で確認したほうがベターでしょう。

子どもの公的医療保険の手続き

子どもがいる夫婦が離婚する場合は、離婚前に子どもがどの種類の公的医療保険に加入していたのかによって扱いが変わります。

子どもが国民健康保険に加入している場合

国民健康保険は世帯ごとに加入するため、離婚によって別世帯となった子どもが国民健康保険を継続する場合は保険証が変わります。

離婚届の提出によって自動的に世帯も分割されますが、念のため役所の窓口で確認したほうがよいでしょう。

国民健康保険に加入していた子どもを会社の医療保険に加入させる場合は、自身の医療保険の被保険者とする手続きが必要です。

会社の福利厚生担当者に尋ねて手続きを進め、安心して医療機関を受診できる体制を整えておきましょう。

子どもが国民健康保険以外に加入している場合

子どもが会社の医療保険の被保険者だったなど、国民健康保険以外に加入していた場合は、離婚後もそのまま継続して被保険者とするか、新たに国民健康保険に加入させるかによって手続きが変わります。

離婚後も親権者となり、引き続き子どもを会社の医療保険の被保険者とする場合は、とくに手続きは必要ありません。

また、親権者ではなくなった場合でも、引き続き子どもを被保険者とすることも可能です。

ただし、保険証の更新などで書類のやり取りが必要となる場面も多いので、子どもの医療保険は親権者側で加入したほうがトラブルを回避できるでしょう。

会社の医療保険から脱退して国民健康保険に加入する場合は、会社側で脱退の手続きを取ったうえで役所の窓口で国民健康保険への加入手続きを取ることになります。

離婚時の国民年金について

20歳以上の国民は、全員が年金制度の対象になります。

離婚によって加入状況が変化する場合は所定の手続きが必要です。

国民年金に加入している場合

自営業者などで離婚前の世帯全員が国民年金に加入していて、引き続き国民年金の対象となる場合は、とくに手続きの必要はありません。

ただし、離婚によって苗字や住所が変更になる場合は役所の窓口で手続きが必要です。

配偶者の厚生年金に加入している場合

配偶者の厚生年金に加入していた場合は、新たに就職する会社の厚生年金に加入するか、あるいは国民年金への切り替えが必要です。

会社員は、国民年金と同額の基礎年金部分と、給料に応じて加算される保険料の二階建てで厚生年金を支払っています。

配偶者として厚生年金に加入していた場合でも、これまで厚生年金に加入していた実績に応じて優遇される権利があるため、年金分割が可能です。

平成19年4月1日以降に離婚した場合は、次の3つの条件を満たす場合に分割が認められます。

  • 婚姻期間中の厚生年金記録がある
  • 夫婦間の合意、または裁判手続きによって分割する割合が決まっている
  • 離婚成立の翌日から2年以内に請求している

また、平成20年4月1日以降の婚姻期間の年金は、次の4つの条件を満たしていれば合意なく分割可能です。

  • 婚姻期間中の厚生年金記録がある
  • 平成20年5月1日以降に離婚している
  • 平成20年4月1日以降に一方が第3号被保険者である期間がある
  • 離婚成立の翌日から2年以内に請求している

自分自身の厚生年金に加入している場合

自分自身が正社員として会社に勤務しており、勤務先の厚生年金に加入している場合は、とくに手続きは必要ありません。

ただし、この場合も苗字や住所の変更があれば会社側の手続きを要するため、福利厚生担当者に手続きの方法や必要書類を尋ねておきましょう。

保険料の支払いが難しいときは?

離婚によって夫の収入による支えがなくなってしまった、あるいは慰謝料や養育費などの支払いが苦しいなどの事情があれば、公的医療保険や年金の支払いが難しくなることもあるはずです。

どちらの場合でも滞納を放置するべきではないので、免除・猶予制度などを活用して負担を軽減しながら生活の立て直しを図りましょう。

公的医療保険が払えない場合

会社の医療保険に加入している場合は、給料から控除されるため滞納の心配はありません。

主に問題となるのは、自営業者などが国民健康保険に加入しているケースです。

国民健康保険の減免が認められるのは、原則として病気や自然災害などのやむを得ない事情で所得が減少した場合です。

ただし、離婚によって世帯が分離し、世帯としての収入が減少した場合は、所得に応じた部分が減免されます。

単に「支払いが苦しい」といった事情では減免制度の対象にはなりませんが、支払いが苦しい事情を説明すれば分割納付や期限の猶予を認めてもらえるケースも多いので、まずは窓口を尋ねて相談するとよいでしょう。

年金が払えない場合

自営業者など国民年金の対象者で、保険料の支払いが難しい場合は、保険料の免除や納付猶予の手続きを検討しましょう。

免除・猶予が承認された期間については年金の受給資格期間に算入され、保険料を納付したときの2分の1の年金額(平成21年3月までの免除期間では3分の1)を受け取ることが可能です。

一時的に苦しい期間があって免除・猶予を受けた場合でも、生活を立て直して余裕が生まれたら追納による穴埋めも可能なので、支払いが苦しいと感じたら役所の国民年金担当窓口に相談しましょう。

まとめ

離婚によって世帯の状況が変われば、公的医療保険や年金について変更の手続きが必要となる場合があります。

手続きをしないまま放置していると医療や将来の年金給付において不利となるため、ご自身の状況に応じてどのような手続きが必要なのかを確認して漏れのないように心がけましょう。

公的医療保険について離婚する夫婦間でトラブルになるケースは多くありませんが、民間の医療保険や年金分割の扱いでは協議がまとまらずトラブルに発展してしまうおそれがあります。

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この記事の監修者
日本橋神田法律事務所
山口 寛 (東京弁護士会)
財産分与・不倫慰謝料など、特に離婚の際の「お金問題」の解決に注力。離婚後の生活がうまくいくよう、弁護士として全力アドバイス・全力サポートをモットーとしている。

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本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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