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公開日:2021.5.6  更新日:2021.5.6

離婚すると家のローンはどうなる?名義変更や売却処分の方法を解説

弁護士法人パートナーズ法律事務所
寺澤 春香
監修記事
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離婚の際には、それまでに夫婦の間で築いたさまざまな財産を分与・整理することになります。

とくに、マイホームの権利は離婚にあたって問題になりやすく、住宅ローンの返済中であれば「名義変更は可能なのか」「誰がローンを返済していくのか」と疑問を感じている方も多いはずです。

住宅ローンが残っているマイホームは名義変更できるのか、どちらがローンを返済すべきなのかなど、離婚と家の関係について解説します。

この記事に記載の情報は2021年05月06日時点のものです

離婚時に家のローンが残っている場合の確認事項

通常、離婚の際には、婚姻期間中の預貯金などを夫婦の共有財産として分配することになります。

共有財産が預貯金などのように額面ではっきりとした価値が示されるものであれば、とくに難しさはないでしょう。

しかし、一戸建ての家や分譲マンションといったマイホームを購入しているのであれば、そうは簡単にはいきません。

まずは、マイホームの住宅ローンが残っている状態で離婚する際に確認すべき事項をみていきます。

住宅ローンの名義人、残債を確認する

住宅ローンは、個人と金融機関の間で結ぶ金銭消費貸借契約のひとつです。

つまり、これまで夫婦・家族で住んでいたマイホームでも、金融機関に対してお金を返す責任は契約者にあるため、まずは「誰の名義で契約しているのか」を確認する必要があります。

この点は、離婚後に契約者ではない一方がマイホームに住み続ける場合でも同じです。

誰が住むのかに関係なく、返済義務は契約者が負います。

また、今度どのような処分方法があるのかを検討するにあたっては、住宅ローンの残債額の確認も欠かせません。

まずは、誰の名義で結んだ契約なのか、残債はいくらなのかを確認しましょう。

現在の家の価値を調べる

マイホームの現在の価値は、家の処分方法を判断するうえで重要な材料になります。

現在の家の価値を示すものとしては役所が交付する固定資産税評価証明書が参考になりますが、固定資産税評価額は税金を課すための基準価格であり、実際の市場価格と同じではありません。

現在の状況から家の売却価格を調べるには、不動産業者などに相談し、査定を依頼することになるでしょう。

アンダーローンかオーバーローンか

住宅ローンの残債額と家の価値が判れば、アンダーローンなのか、それともオーバーローンであるのかが判ります。

家の価値がローン残債額を上回っている場合はアンダーローンローン残債が家の価値を上回っている場合はオーバーローンです。

地価高騰などの好条件に恵まれればアンダーローンになりやすく、売却して住宅ローンを清算したほうが円滑な離婚が期待できるでしょう。

オーバーローンであれば売却しても残債が残ることになるので、そもそも金融機関が抵当権を外してくれず、売却できないおそれがあります。

住宅ローンはどちらが払うべきか

マイホーム購入にあたっては、夫または妻が単独名義で契約し、家・土地の所有名義も夫または妻の単独名義になっているケースや、ローン審査が通りやすくなるように夫婦のペアローンで契約して、家・土地が夫婦の共有名義になっているケースがあります。

マイホームが単独名義なのか、それとも共有名義なのか、ケース別に誰が住宅ローンを支払うべきなのかを確認しましょう。

単独で名義登録している場合

単独名義で所有しているマイホームの住宅ローンは、住宅ローンの契約者が返済義務を負います。

たとえば、離婚の条件として「マイホームを譲る」と約束し、自分は一切住み続けることがない状況でも、金融機関が返済を求める相手はあくまでも契約者です。

「私は住んでいないのでローンは返済しない」と主張しても、返済の責任から逃れることはできません。

名義を2人登録している場合

ペアローンを利用して夫婦共有名義でマイホームを所有している場合も、やはり金融機関は契約に従うので離婚の別にかかわらず夫婦両方に返済を求めてきます。

「離婚したので支払う義務はない」という主張は認められません。

住宅ローンの名義は変更できるのか

離婚にあたりマイホームの権利について話し合う際には「こちらで支払うので住宅ローンの名義を変更してほしい」と考えることもあるでしょう。

残念ながら、住宅ローン返済中にローン契約の名義を変更するのはほぼ不可能です。

ローン契約は契約者個人の信用調査や収入状況などから詳しく審査したうえで結ばれるものなので、離婚や居住の有無を理由に契約者を変更してくれることはほとんどありません。

ただし、新たな名義人となる人が改めて住宅ローンを結び、これまでの住宅ローンを一括返済するという方法で解決できる可能性はあります。

別の金融機関で借り換えローンを利用すれば金利も優遇されることがあるので、安定した収入があるなら借り換えを考えるのが現実的でしょう。

離婚時に家を売却する場合

マイホームを購入する際は、夫婦・家族がともに生活することを前提にしているはずです。

夫婦が離婚する際は、婚姻中の生活を清算するためにも、ローン返済の負担を減らすためにも、マイホームを売却するという道を選ぶ方が多いでしょう。

離婚時にマイホームを売却する場合の対応は、オーバーローンなのかアンダーローンなのかによって異なります。

オーバーローンの家を売却する手続き

基本的に、オーバーローンのマイホームを売却するのは困難です。

オーバーローンの状態であれば、マイホームを売却して得た金額のすべてを住宅ローンの返済にあてても負債が残る状態になります。

売却額に自己資金を足しても全額返済に至らないケースが多いので、金融機関がローン契約の際に設定した抵当権を解除してもらえません。

抵当権が解除されていない状態でも名義人の意思で売却することは可能ですが、契約者が住宅ローンの返済を滞納してしまうと抵当権の行使によって差し押さえを受けるおそれがあるので、買い手がつくことはまずないでしょう。

オーバーローンの状態では売却が難しいので、売却せず一方が住み続けながら住宅ローンの返済を続けるのが現実的です。

ただし、どうしても住宅ローンの返済が難しいという場合は、金融機関の合意を得たうえで『任意売却』するという方法もあります。

金融機関が任意売却を認めれば、返済不能などを理由に強制的に売却されてしまう『競売』を避けられるので、離婚後に返済が難しい場合は金融機関に相談して任意売却の方向で手続きを進めていくほうが賢明でしょう。

アンダーローンの家を売却する手続き

マイホームの売却額が住宅ローンの残債を上回るアンダーローンの状態であれば、通常の不動産売却と同じ流れで進みます。

不動産業者を仲介に買い主を探すか、あるいは不動産業者に直接買い取ってもらうのが一般的でしょう。

仲介で売却したほうが高値での売却が期待できますが、一方で買い主がすぐに見つからないおそれがあるので、スピーディーな処分は難しいでしょう。

不動産業者による買い取りでは、すぐに売却できるものの、市場価格よりも安値になってしまうおそれがあります。

いずれの場合でも、売却額から住宅ローンを完済させたうえで残った利益は折半、または協議のうえで分配することになるでしょう。

家を売却せずにどちらかが住む場合

マイホームを売却してもオーバーローンになる、あるいは愛着のあるマイホームに住み続けたいといったケースでは、売却せずにどちらかが住み続けるという選択をすることもあります。

マイホームを売却せずにどちらかが住み続ける場合は、どのような対応が必要になるのでしょうか?

名義人が住む場合

マイホームの名義人がそのまま住み続ける場合は、名義人と住宅ローンの契約者が同じなのでとくに手続きは必要ありません。

従来どおり返済を続けながらマイホームに居住するだけです。

ただし、住宅ローンの契約時に配偶者が連帯保証人になっている場合は、連帯保証人の変更を考えなければなりません。

連帯保証人をそのままにしておくと、住宅ローンの返済を滞納してしまった際にトラブルを引き起こしてしまいます。

連帯保証人の変更に応じるかどうかは金融機関の判断次第であり、変更可能でも改めて審査を受けなくてはなりません。

別の連帯保証人を提示しても金融機関が変更に応じないケースもあり、この場合は借り換えや売却による全額返済によって解決することになるでしょう。

非名義人が住む場合

就学中の子どもがいる場合などでは、夫が住宅ローンの支払いを続けながら妻が住み続けるといったケースもめずらしくありません。

子どもを転校させる必要がない、離婚しても住まいを失う心配がないといったメリットはあるものの、住宅ローンを滞納されてしまった場合は強制退去を迫られるおそれがあるため、安全な方法であるとはいえないでしょう。

そもそも、住宅ローンは契約者が居住することを前提に貸付を受けているため、契約者が離婚によって住居を別にしてしまった事実が発覚すれば一括返済を求められるかもしれません。

金融機関の判断次第ですが、別の金融機関で住宅ローンを借り換えて自分の名義で返済していかないと住み続けられないといった事態も考えられます。

離婚時の住宅ローンに関する3つの注意点

マイホームの住宅ローンが残っている状態での離婚では、とくに次の3つの点に注意する必要があります。

養育費の負担を基に住宅ローンを決める

未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合は、子どもの養育費の負担についても協議することになるでしょう。

たとえば、離婚によって住宅ローンの契約者である夫が家を出ていく場合は、夫が住宅ローンの返済と子どもの養育費の両方を負担する前提で離婚協議が進みます。

住宅ローン返済の負担は、別居することになった子どものためであっても養育費には含まれません。

ただし、住宅ローン返済の負担は非常に重たいので、さらに養育費を支払うことになれば一方が過度に負担を受けることになります。

このようなケースでは、住宅ローン返済の負担を考慮して養育費を減額するか、あるいは双方に住宅ローン返済の負担を背負ったうえで養育費分を考慮して夫の住宅ローン返済額を減額するのが一般的でしょう。

住宅ローンの返済計画に照らして子どもの人数・年齢に応じた養育費を計算する必要があるため、夫婦間での協議だけでは問題が解決できないおそれがあります。

非常に難しい問題なので、弁護士に相談してアドバイスを受けるべきでしょう。

トラブル防止のために公正証書を活用する

離婚に際してマイホームの権利や住宅ローンの返済、養育費などの約束を交わした場合は、口約束ではなく必ず協議内容を書面に残しておかないといけません。

離婚協議書を自作するという方法もありますが、法的な効力を高めたいなら公正証書化するのがベストです。

公正証書に「養育費の支払いが滞った場合は強制執行に服する」と受諾する旨を加えておけば、公正証書の存在を理由にすみやかな強制執行が実現します。

給料や預貯金などの差押さえも可能になるので、効果の高い公正証書を作成できるよう、弁護士にサポートを依頼しましょう。

連帯保証人になっている場合は代理を立てる

住宅ローンの連帯保証人になっている場合は、契約者が滞納してしまえば連帯保証人として返済の責任を負うことになります。

離婚によって別居した夫が住宅ローンの契約者で、妻がマイホームに住み続けるといったケースでは、連帯保証人として返済を履行しないと住み家を失ってしまう事態は避けられません。

また、ローン契約者である夫がそのまま住み続けて妻が別居するケースでも、妻が連帯保証人になっていれば夫が滞納することで住んでもいない家のローン返済を迫られることになります。

いずれの場合でも、住宅ローンの連帯保証人になっている状態は危険です。

離婚協議を進めるなかで、別の連帯保証人を立ててもらい連帯保証人から外してもらえるように交渉しましょう。

金融機関が連帯保証人の変更を認めない場合は、売却・借り換えによる住宅ローンの整理を検討する必要があります。

住宅ローンの問題が解決しないまま離婚に踏み切るのはリスクが高いため、不利な離婚にならないように弁護士のアドバイスを得ながら離婚協議を進めていきましょう。

まとめ

住宅ローンが残った状態での離婚は、誰が住宅ローンを返済していくのか、どちらがマイホームに住み続けるのか、売却による整理は可能なのかといったさまざまな問題を考えていかなくてはなりません。

誰もがマイホーム購入時に離婚するときのことまで想定していないので、夫婦間での協議だけでは決着できないことも多いでしょう。

住宅ローンとマイホームに関する問題を放置したまま離婚を急いでしまうと、不利な条件での離婚を強いられてしまったり、滞納による強制退去のリスクを背負ったまま離婚する事態になったりします。

円満な離婚を実現するために、さまざまなケースでの離婚トラブルを解決してきた実績をもつ弁護士に相談してサポートを受けましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人パートナーズ法律事務所
寺澤 春香 (東京弁護士会)
ご依頼者様に寄り添いお気持ちを共有しつつ、裁判実務を踏まえ、法的なアプローチを丁寧に説明します。問題を少しでも早く解決した上で、今後のご依頼者様の人生がより前向きになるようお手伝いさせていただきます。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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