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公開日:2018.12.26  更新日:2023.1.26

モラハラ夫とスムーズに離婚したい方へ|効果的な準備方法と注意点を解説

弁護士法人未緒法律事務所
原口 未緒
監修記事
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モラハラ夫と離婚するためには、入念な準備が必要です。突発的に離婚に踏み切っても失敗に終わり、さらなるモラハラに苦しむ事態になりかねないからです。

夫からの「人格否定」「暴言」「無視」といったモラハラに耐える日々はつらいものです。1日でも早く離婚を成立させて自由になりたいですよね。

夫婦とは、どちらか一方が相手の自由を奪い支配するようなものではなく、お互いに尊重して認め合う関係です。

モラハラ夫から自由になり、新しい人生を始めるためにも離婚の準備を整えましょう。

この記事では、モラハラ夫と離婚するためのスムーズな手続き方法や注意点などを解説します。

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この記事に記載の情報は2023年01月26日時点のものです

モラハラを原因とした離婚は認められるのが困難

夫からのモラハラを原因とした離婚は可能ではあるものの、離婚成立までの道のりは険しいものになる可能性があります。

離婚をする際、多くの夫婦は協議離婚を選択しています。協議離婚とは「双方の話し合いによって離婚を成立させる方法」ですが、モラハラ夫とは協議離婚での離婚成立は難しいでしょう。

モラハラで離婚を成立させる場合、家庭裁判所にて離婚調停離婚訴訟を起こすことになります。離婚調停とは「調停委員が夫との間に入っての話し合いによって、離婚を前提にお互いが納得する解決策を見つける」というものです。

ここでモラハラ夫が納得しなければ、離婚訴訟を起こして裁判で離婚を成立させることになります。

その場合に離婚を成立させるには、裁判所にて民法770条1項5号にある「婚姻を継続し難い重大な事由」の存在が認められる必要があります。

つまり第三者である裁判官に対して、「モラハラによって夫婦関係が破綻していること」や「これ以上夫婦関係を続けていくことが不可能であること」を証明しなければなりません

しかし当事者以外の者に対して、夫婦関係の内情や本当の関係性などを証明するのは難しいものです。

ましてやモラハラ夫は、外では「良い夫」や「良い父親」という二面性を持っているので、モラハラを証明するためには証拠集めが重要なポイントとなります。

また多くの場合、モラハラ夫は「離婚しない」と強行に食い下がったり、「夫婦関係は破綻していない」と主張したりするでしょう。

モラハラ夫との離婚は簡単なものではありませんが、心が折れそうになっても立ち向かうことが大切です。

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モラハラ夫との離婚を成立させるための準備

モラハラ夫との離婚を成立させるためには、入念な準備が必要です。それぞれ詳しく解説していきます。

①モラハラの証拠を集める

まずはモラハラの証拠を集めましょう。上記で触れた通り、モラハラ夫と離婚する場合には離婚調停か離婚訴訟を起こし、裁判所で離婚を成立させなければなりません。

しかしモラハラはDVなどとは異なり、第三者に証明するのが困難です。なぜなら当事者がどれだけモラハラに苦しんでいても、家庭内の実態は周囲には伝わりにくいからです。

またモラハラ夫は二面性を持っていることが多いため、離婚調停を行っても調停委員から「離婚ではなく関係修復に努めてはどうか」などと促されることもあるようです。

弁護士に相談した場合でも、モラハラの証拠がないような場合には門前払いされてしまうこともあるでしょう。

確実に離婚を成立させるためには、第三者に被害状況を伝え、なおかつきちんと理解してもらうことが大切なのです

そこで、確実に離婚を成立させるためには、一つでも多くのモラハラの証拠を集める必要があります。

モラハラの証拠となるもの

ただ単に「暴言を吐かれた」などと訴えても、モラハラを受けているとは証明できないようです。

しかしモラハラは相手を支配し精神的に追い込むものなので、一発アウトだと主張できるような証拠を提出するのは難しいでしょう。

そこで、モラハラの実態を証明するための証拠をいくつも集める必要があります

例として、モラハラによって体調不良に陥り医師のカウンセリングを受けているのであれば、診断書を書いてもらったり通院履歴を残してもらったりしましょう。

また、日記に夫から受けたモラハラについて細かく記録するのも有効です。日時・言われた内容・されたことなどを記入し、物を壊されたのであればその状態を撮影しておきましょう。

このとき、第三者が見てもわかるように、ひとつの資料として時系列でまとめることがポイントです

ほかにも、ボイスレコーダーやスマホのアプリで音声記録を残すのも証拠となるでしょう。ただし音声記録を残すときは、夫にバレないように慎重に行ってください。

いつ暴言を吐かれるかわからない場合は、常に録音できるように普段から準備しておくといいでしょう。

ちなみに、音声よりも書面証拠となるメールの方が裁判官も証拠として採用しやすい傾向にあるようです。夫からの言葉をなるべくメールにさせるなど、工夫をしてみるのも良いでしょう。

それ以外にも、新聞やネット記事などに載っているモラハラが原因の離婚事例などを自身の被害内容と照らし合わせて、モラハラされていることを主張するのも一つの方法です。

②金銭的な不安を解消させる

離婚を決意したのであれば、証拠集めと同時に金銭的な不安を解消させるための行動も起こしましょう。

モラハラ夫との別居ができ、新しい生活を始めるときには、ある程度まとまったお金がかかります。

例えば、引っ越し費用のほか、家具や家電、生活に必要な消耗品など、必要最低限のものを買いそろえるための費用です。

もちろん、離婚後の生活のための収入も必要です。子供の親権を手に入れた場合は、子供のためにも収入を得なければなりません。

もし実家に住む家族の理解が得られるのであれば、しばらく生活を支えてもらうという選択肢もあるでしょう。

また、盲点となりやすいのは弁護士費用です。相談料は無料でも、正式に弁護士に依頼して離婚を成立させるためには、それなりの費用がかかります。

弁護士費用を構成する要素の一つである成功報酬については、「子供の親権を勝ち取る」「養育費が認められる」「慰謝料請求や財産分与が認められる」など、成功の度合いに応じて加算されていきます。離婚が成立した際の成功報酬は、それぞれの状況により異なるのです。

なかには、費用がかかることを懸念して「弁護士に依頼せずにモラハラ夫と離婚したい」という人もいるかもしれません。

しかし多くの場合、自分でモラハラ夫に離婚したいと切り出しても、モラハラによる支配・上下関係にあるために簡単には離婚できないでしょう。

金銭的な負担は発生するものの、弁護士に依頼することが離婚成立の鍵となります。

③弁護士や専門機関へ相談をする

モラハラについては、弁護士や配偶者暴力相談支援センターといった専門機関へ相談しましょう。

第三者にモラハラを相談した・認められたという事実は、離婚するにあたり有効な証拠となるのです

確実に離婚するには、弁護士に離婚手続きを依頼することをおすすめします。

たとえモラハラ夫との協議離婚が成立しても、口約束では危険です。離婚は「配偶者と別れて別々に暮らすだけ」という単純なものではありません。

慰謝料・財産分与・養育費・子供との面会など、決めておかなければならない重要事項は多くあります。これらを口約束で決めてしまうと、後から簡単に覆されてしまう可能性もあるのです。

そもそも、これまでさんざんモラハラを行ってきた人間ですので、どれだけ反省した素振りを見せているとしても、簡単には信用せずに淡々とやるべきことをやっていきましょう。

そして、約束事を公的な文書(公正証書か調停調書)にすることも忘れてはいけません。

例えば養育費なら、あらかじめ公的文書にしておくことで、もし支払われなかったときに給与の差し押さえなどが可能になるからです。

また、別居をする場合にも弁護士に相談した方が安心でしょう。

モラハラの被害者からすると、別居は身を守るための手段だとしても、モラハラ夫から「妻が勝手に家を飛び出した」と言われかねません。

そうなると、妻側に責任が降りかかってくる可能性があるのです。弁護士に相談すれば、こちらが不利な状況にならないよう、適切な対処法のアドバイスが受けられます

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弁護士事務所や家庭裁判所には子連れで行っても問題ない

「弁護士事務所や家庭裁判所に子供を連れて行ってもいいのか」と迷う人もいるかもしれません。親や友人に預けることができれば安心ですが、預け先がないという人も多いでしょう。

結論としては、どちらも子連れで問題ありません。弁護士事務所のなかにはキッズスペースが設けられているところもあるので、事前に調べておくと安心です。

また、家庭裁判所にも子供と一緒に行くことができます。調停中は、元配偶者と顔を合わせなくて済むよう別室になっていますし、そもそも一緒に部屋に入っても何ら問題はありません。

ただし、あまりに子供が幼い場合はすぐに飽きてしまい、調停委員との話し合いがスムーズに進まなくなる可能性がもあります。

その場合は、自治体のファミサポを利用したり、託児所を検討したりするのがよいかもしれません。

慰謝料を請求するなら離婚訴訟を起こす

離婚調停では相手を納得させて慰謝料を獲得するのが難しい傾向にあります。

そのため、訴訟を起こして裁判所に慰謝料請求するというのが手段として挙げられます。

モラハラ夫と離婚に至った場合、慰謝料請求を考えるのは当然のことです。モラハラの慰謝料は10~100万円程度といわれ、そこまで高額というわけではありません。

それでも「離婚後の生活を考えて少しでもお金がほしい」という人や「モラハラ夫に苦しめられてきた分、制裁を加えたい」という人など、それぞれ思いはあるでしょう。

一方で「離婚さえできれば慰謝料はいらない」という人もいるかもしれません。

確かに、これまでつらい日々を送ってきた人にとっては「モラハラ夫から自由になれるなら、揉めごとを起こさず早く静かに離婚したい」と思うところもあるでしょう。

しかし、これから生活を始めていくにはお金が必要です。子供がいるなら、なおさらお金があるに越したことはありません。

慰謝料請求する場合、モラハラ夫から悪態をつかれるかもしれませんが、何を言われようと強い心で立ち向かいましょう。

なお離婚手続きにおいて、日本の法律では「まずは調停を申し立てて、解決しない場合に訴訟へ移る」という順序が定められています。

早く済ませたいからといって「離婚調停を飛ばして離婚訴訟を起こす」ということは原則できませんので、知っておきましょう。

モラハラ夫と離婚する際に注意すべきこと

モラハラ夫と離婚する際には、いくつか注意しなければならないことがあります。

離婚成立に至るまでは長期戦を覚悟する

モラハラ夫との離婚が成立するまでは、長期戦になることを覚悟しましょう。あっさりと離婚成立するケースは非常に稀です。

ほとんどの場合、モラハラ夫が抵抗したり、離婚自体は了承しても親権問題や慰謝料などの離婚条件について揉めたりすることになるでしょう。

モラハラ夫はプライドが高い人が多いため、自分よりも下の立場だと思っていた妻から離婚を切り出されることに「我慢できない」と感じることがあります。

また、周囲にはいい人だと思われていることも多く、妻との離婚によって自分の印象が悪くなることを極端に嫌う傾向があります。

そのため、離婚を渋ったり条件をつけたりして、自己保身をしようとするのです。

離婚の準備が整うまでは夫に気づかれないようにする

離婚の準備が整うまでは「離婚したい」という意志を持っていることを気づかれないようにしましょう。

決して突発的に離婚の話を切り出さないようにしてください

モラハラ夫は、実は妻への依存心や執着心がとても強いため、妻が離れていくとわかると余計にモラハラ行為が悪化します

また、妻が家を出て行くことができないように妨害したり阻止したりすることもあるでしょう。

そのような状況下では、身の危険すら感じるようになるかもしれません。自分の身を守るためにも、離婚の意志はモラハラ夫に漏らさないようにしてください。

離婚したいという気持ちを強く持つ

離婚の話をする際、モラハラ夫が反省し、これまでとは違う姿を見せてくることがあります。人によっては泣き落としの作戦で来るかもしれません。

しかし「これはモラハラ夫の罠かもしれない」と疑いましょう。

「もしかすると、この一件で反省して生まれ変わってくれるかもしれない…」と一縷の望みに賭けたくなるかもしれませんが、残念ながら人の本質というのはそう簡単には変わらないものです。

ここで折れてしまうと、今後もモラハラ夫から逃れられなくなるかもしれません。誰に何を言われても、離婚する意志を強く持ちましょう。

まとめ

女性のなかには、夫婦関係に違和感を持ちながらも、モラハラ被害に遭っている自覚がない人もいます。

夫に完全に支配されてしまっている場合には、モラハラを受けていることにすら気づかないのです。

もし「夫が帰宅する際に動悸がしたり、恐怖や不安を感じたりする」「夫の言動にいつもビクビクしている」という場合には、モラハラに遭っている可能性が高いでしょう。

モラハラ夫と確実に離婚を成立させるには、モラハラの証拠を集め、お金の問題を解決させ、弁護士に相談するなど、ひとつひとつ着実に準備しなければなりません。

離婚を考えたとき、1日でも早くモラハラ夫から解放されることを願うものですが、慎重に行動しなければさらなる被害を生んでしまう危険性があります。

モラハラ夫に離婚の意志を気づかれないようにし「何があっても絶対に離婚する」という強い心を持ち続け、立ち向かわなければなりません。

モラハラ夫から解放され、自由に笑える日々を手に入れましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人未緒法律事務所
原口 未緒 (東京弁護士会)
自身も3回の離婚を経験。その経験を活かし、『円満離婚弁護士』として、数々の離婚問題を解決。『終わり』ではなく、『スタート』としての離婚を目指して、奮闘している。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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